一章
3話
地球破壊爆弾。
「何だあの人型の巨人は!?いや、それともエハ人型?漫画かよw手と顔が複数あって真っ赤だし何だか阿修羅みてぇだな?」
(┃ω┃)うむ、あれが我がエハ帝国が宇宙に誇る撃星機だ。お前達の文化にある漫画・アニメ・ゲームの世界観で訳すならば先史宇宙文明のオーパーツ技術をベースにエハ文明独自のカスタムが加えられたリアルロボットにカテゴライズされるな。
他の銀河群にも同様の撃星機が多数存在しているが航星空航続距離と超光速速度では帝国機の右に出る機体は存在しない。
我が帝国が実質的な宇宙覇権国家である由縁の一つでもある。
機種によってはたった一機で航星空母艦一隻の戦力に匹敵する半戦略星砕重機も存在する。
例えばあそこの赤いカラーリングで角のある将軍機がそうだ。
あれ一機で地球を一瞬で10個分は余裕で破壊可能だ。
これが戦術機一機では一日掛かりで星の半球を焼くので精一杯だな。
「はえ~たまげたな~○ャア専用ザ○みてぇだ・・・」
(┃ω┃)うむ、お前達の世界で言う所の赤いカラーリングの衝角機も通常の30%増の性能を持っているらしいな?不思議な一致だ。
「スター・システムって何かカッコイイ響きですよね・・・」
(┃ω┃)ん?どうした?何か疑義を抱いているな?
「ええと、地球語と言うか英語のセンス凄いですけど貴方が訳したのですか?エハ語では元々スター・システムって何と発音するのですか?」
(┃ω┃)漢字で撃墜王の「撃」に星空の「星」飛行機の「機」と書き、読みは英語の芸能用語StarSystemを当てる。
「えっと・・・解説ありがとうございます。で、だから”エハ語”ではどう発音するのですか?」
(┃ω┃)よし、いちいち説明するの面倒だから大宇宙雑学大辞典を引用して簡潔に言うぞ?
「はい、お願いします。」
(┃ω┃)起源・系統不明の孤立言語である英語、独語、漢語、日語、ルルイエ語、オノマトジュゲモーネボルメニュッブリッツィル語などは一般的に異世界言語体系と呼ばれ全宇宙に広汎不規則に分布しており、その起源を正確に求める事は不可能である。
科学技術や魔術理論を持たない辺境の蛮族ですら英語を母語としているケースも珍しく無く例えばオリオン腕太陽系辺境惑星地球の部族英国人等は自分達の属する文化圏こそが英語の発祥地であると信じて疑わない。
一説に輪廻転生現象によって前世の知識を持ち越したまま時間軸や世界線を超越した者達によってもたらされ全宇宙に広まりその中で汎用性の高い言語が断片的に宇宙各地の言語体系に吸収されていったものと思われる。
異なる言語体系に吸収されて尚数百年或いはそれ以上もの長きに渡りその文法的特異性の大部分を失わなかったこの異世界言語体系は宇宙各地の魔法言語体系を司る怪異、精霊、魔族、神霊による同化を拒絶する程の強大な言霊が込められているとする説が現在の定説ではあるが文化によっては容易に同化吸収されている例(和製英語など)も多数報告されており異世界言語体系の存在は宇宙の七不思議の一つにも数えられている。
「えええええええええええええええええええええええええええええええ!
嘘おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」
(┃ω┃)うん、俺も幼虫学校の時に英語はエハ衛星起源の言語じゃ無いかも知れないって習って衝撃を受けた記憶があるもん。
「はえええええええええええええええええええええええええええええええ!
宇宙広おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお大!」
(┃ω┃)まさに凶悪なる真実!聞けばそうなるよね当然。
ドゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン
(┃ω┃)さて、もう一機到着したみたいだな。俺はこの白い戦術機に乗るからお前はあの赤い将軍機に乗れ。
「で、その後はどうすればいい?将軍機を操縦して米軍や自衛隊と戦えばいいのか?」
(┃ω┃)だからさっきまとめサイトで確認しろつったろ?もう世界中どこも人類軍は99%壊滅してるっての。
「じゃあ俺は一体何をすればいいんだ?」
(┃ω┃)さっきも言った通り人間達を片っ端から面白半分に将軍機で踏み潰して貰う。
「わかった。」
(┃ω┃)即答だなオイ。
そして撃星機に搭乗する二人。
垂れ下がって来たワイヤーベルトを腰に固定しそのままコクピットまで上昇する。
うおーたーっけーこえー
(┃ω┃)大丈夫だ、すぐ慣れる。
座席は1人乗り用らしいが随分と広い。そういやオーパーツを転用してるとか言ってたな?
搭乗するとコクピットのハッチが閉まり数秒間真っ暗になる。
数秒後に暖色系の薄緑色の蛍光で操縦桿が照らされた。
空中にディスプレイが点灯し(┃ω┃)の顔が映し出される。
「あのさぁ?別に構わないが本当に人類を皆殺しにしちまっていいのか?奴隷にしたり食料にしたりさ、まだ用途は沢山ありそうだが?」
(┃ω┃)お前共食いすんのかよw心読んだけどドン引きモンだわwまあ、お前みたく優秀な人材はもうこの地区じゃ一通りスカウトし尽くしたので用済みの連中しか残って居ないから思う存分殺しちゃっていいぞー。
「おっしゃあああああああああああああああああ!その言葉を待ってたぜ!じゃあ俺が自衛隊の特殊部隊のフリして避難してる連中を安心させておびき出すから数が集まったら一斉に踏み潰して遊ぼうぜ?」
(┃ω┃)・・・・・・・・・・・・
(┃ω┃)えっぐ 何お前? ○チ○イかよ? いくら何でも卑劣過ぎんだろ?星砕の兇賊の俺らでもそこまではしねぇよw
「こいつ火炎放射器装備とかある?逃げらんねぇ様に一緒に火の壁作ろうぜw」
(┃ω┃)ははッ面白そうだなw
「ナンだよノリノリじゃねぇか靑罵!」
(┃ω┃)一応サイコパスチェックテストはしたんだがな。万一人の心がある奴だったら厄介だからね。鎌掛けさせて貰ったよ。火炎放射はグリップの一番下のトリガーだな。
「うっひょー!いっくぜえええええええええええええええええええ!」