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断罪星戦  作者: 余 疏涅
3/5

一章

2話

我々は孤独では無かった。

我々は孤独だった・・・


我々は探していた・・・


我々は遂に見付けた・・・


我々は孤独では無かった・・・


「何を言っているんだ白石?何を言っている?」


白や緑の原色の不気味な汗を垂らしながら白石は続ける。


人類よ、我々はお前達を宇宙を旅する友としたいのだ・・・


白石の体が人としての原型を失いグズグズとまろやかに溶けていく。


「なッ何だ!?何が起こっている?白石どうしたんだ!?」


真っ白いツルっとした人型のそれは白石の中から現れた。

よく分からない産まれて初めて目にするであろうそれを記憶を辿り必死にイメージとして一番近いものを探し出す。

探さねば気が狂いそうだった・・・


エイリアン? グレイタイプ?


そうとしか形容出来ない。

いや、映画やドラマに出て来るものはコレよりももう少し華奢な体をしていた。

こいつは少し太めだ。

ツルツルで体毛の類は全く無く服や下着も着ていない。

ただ小さな玩具の様なものを指の無い手で形状に吸い付く様な感じに握っている。

だが体とは対照的に頭はグレイ程大きくは無い。

身長はグレイと同じ様な感じでだいたい幼稚園児位の高さか・・・

そしてその表情は・・・何と言えばいいのかウジムシの頭に漫画みたいなかわいらしい縦線の細い目が付いている。

どっかの子供向けクレイアニメとかでありそうな顔だ・・・

こういう感じか?


(┃ω┃)


「これは・・・幻覚ってオチは流石にねぇよな?」


(┃ω┃)


「これはお前の仕込みだったんだな。俺を陥れてどうする気だ、俺に何をさせたい?」


(┃ω┃)人類よ、我々とお前達の精神は似通っているのだ。


「へぇ・・・そいつぁどうも・・・後、俺じゃなく大統領に言ってやれよ?あの人スゲー喜ぶと思うぜ?」


(┃ω┃)あの男は死んだ。どんなに冷酷非情であっても心にほんの少しでも人間らしい「利他心」「良心の呵責」がある者は我々が躊躇わず殺すからだ。そういう人間は出来れば皆殺しにしておきたいからな。


「へぇ・・・そいつぁすげぇや・・・(どこら辺が似通ってるんだ?)」


(┃ω┃)お前は選ばれたのだ。お前の利己心は素晴らしい!


「・・・つまり?」


(┃ω┃)我々は『悪人』を探している。最もお前達の文化では『悪人』はマイノリティらしいがな?だがそれは野蛮人らしい発想だ。


「・・・」


(┃ω┃)信じて貰う為にお前が心底疎ましく思っていた人間の雌固体を一匹始末しておいてやったぞ。


「そりゃどうも・・・で、俺はアンタに何をすればいいんだ?もう解放してくれるのか?」


(┃ω┃)・・・解放してやってもいいがそれはあまりオススメ出来ない選択だ。

なぜならば地球はもうすぐ我々によって爆破され一部の微生物を除き地球由来生物は全て絶滅させる事が決定されたからだ。

個人的には我々の同志となる事を誓い我々の奴隷船に搭乗する事をオススメする。

ちなみに地球爆破は決定事項であり交渉の余地は無い。

抵抗も無意味だ。

お前達地球の盟主的存在であるアメリカ合衆国大統領は公衆の面前で既に暗殺した。

お前達人類の瑣末な戦力もあと少しで無力化出来るだろう。

我々が全宇宙に誇る戦術星砕重機「撃星機スター・システム」が到着次第地球破壊は実行に移されるのだ。

万ヶ一奇跡が起こってお前達の貧相な核熱線兵器を搭載した原始的なミサイルがそれらを駆逐出来たとしても、その後に控える超破壊戦略航星空母艦艦隊の有する「破星槌」に抗う術は微塵も無いのだ。

破壊予定時刻は地球時間であと24時間後だ。

嘘だと思うならテレビやSNSメディア、まとめサイトの速報などで確認してみるがいい。

今死ぬか奴隷となるか選ばせてやろう。


「そう来るか・・・さて・・・どうするべきかこの超展開・・・」


(┃ω┃)・・・・今、自殺を考えているな?我々による拷問を怖れているのか?


「・・・アンタ達は相手の心が読めるのか?」


(┃ω┃)私は産まれつき特別だ。全てのエハ人にこの力が宿る訳では無い。

一応、お前の心の中の不安に答えておくが奴隷船では利敵行為や反旗を翻さない限りはこの星の先進国富裕層の生活水準を遥かに凌駕する待遇を約束しよう。


「本当か?」


(┃ω┃)我らがエハ衛星帝国は長大悠久なる歴史を誇り深淵唯一無二の宇宙帝国である。

お前達の未熟な天文学の言う所のオリオン腕最初の覇者であり局部銀河群統一列強国の一角でもある。

その英知と威光は母なる大宇宙の恩恵と富の全てを一つの帝国へと収束せしめ人民に永遠の楽園を約束するのだ。

まあ、奴隷である以上は宇宙衛星内の北海道位の島一つで我慢してもらおう。だが、働きに応じて幾つもの大陸の覇王として君臨する事もまた夢では無いのだぞ?

そして非常に稀な事だが武勲の対価として開放奴隷として名誉エハ人となる事が許され複数の宇宙艦隊を指揮する任を与えられる程の栄光を掴んだ者も存在する。


「マジかよ!?」


(┃ω┃)我々エハ人は星砕の兇賊の名誉に賭けて約束はどんな事があっても絶対に守る。


「・・・」


(┃ω┃)まだ迷い疑っているな?まあ当然だろう、自分の生まれ育った星と国を売れと言っている様なものだからな。いきなり信じろと言う方が難しいだろう。


「・・・いや、待ってくれ!分かった俺はアンタに付いて行きたい!このまま地球に居ても人殺しすら出来ない人生なんて嫌だ!あんたの言ってる事が例え嘘であったとしても地球なんかに居るよりはずっとマシだ!」


(┃ω┃)成程、私が見込んだだけの事はある男だ。後悔はしないな?


「ああ、俺を奴隷グラディエーターとして帝国に迎え入れてくれ!」






ドオオオオオオオオオオオオオオオオオオン






「うわッ!な、何だあれは!?」


(┃ω┃)おお、もう来たか?予定より大分早いが撃星機が到着した様だな。これからお前にはアレに乗ってお前を今まで平気で『悪人』と呼び軽蔑し憎悪し差別してきた者達を根こそぎ虐殺してもらう。

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