朝の奴ら1
「60匹か…」
そう呟き、俺はゴブリン討伐依頼の報酬をもらうため廃村から出るために出口に向かって歩き始めた。
先程呟いた通り、今日ゴブリンを狩れた数は60匹だ。つまり今回の報酬額はゴブリン討伐依頼六回分にあたる金額だ。
レベルは3上がり、15レベルとなった。
そう考えながら歩いていると、行きなり、横からなにかが飛んできた。
咄嗟に後ろに飛び、投擲物を避け短剣2本を構えた。
すると、物陰から、二人の男が現れて、
「へえ、やるね~~。あれを避けるとは」
「朝の連中か、何のようだ?」
そう、話し掛けて来たのは。朝おれに話し掛けて来た連中だ。1人足りないが、多分その1人がさっき討伐物を投げてきたのだろう。
「何のようだ?か随分な口の聞き方だなぁ、おい。朝の固っくるしい喋り方はどうした?」
「俺は。普段は敬語だが、攻撃をしてくる相手まで、敬語を使うほど聖人じゃないんだ。後、、もう一度聞く、何のようだ?」
「そうかい、ま、何のようかは、お前が一番分かってるだろうよ」
「金か」
「まあ、間違ってはねえな」
他になんの理由があるんだ?
「俺は、誰かを殴るのが大好きなんだよ、」
「それなら。強いやつと戦ってろよ、」
「何言ってんだ?強いやつと戦ってもたいして殴れねえじゃねえか。」
「なら奴隷とかでも殴ってろよ」
「分かってなえな~、必死に抵抗しても殴られ続け、ついには絶望を味わう、そんな顔が好きなんだよ、
自分から、殴られに来るようなやつを殴ったっておもしろくねえだろうが」
分かりたくもないな、そんな気持ち。
覚悟を決めるしかないか……人に刃物を向ける覚悟を人を切る覚悟を。
「……覚悟は出来たみたいだな、その覚悟粉々にしてやるぜ」
その言葉を聞いた直後、さっきまでずっと無言だったやつが、一本の短剣を逆手に持ち姿勢を低くして、右側から迫ってきた。
短剣を振り上げ、迫ってきた短剣を、右手の短剣で弾き、左手で。首を狙って攻撃した。
それを、こいつは弾かれた短剣で。受け流し、そのまま手首を切りつけてきた。
切りつけてきた。と同時に俺は右手の短剣で。もう一度、首を狙って攻撃をしたが、バックステップで避けられた。
そのまま、攻撃してきたやつは。リーダーらしい、話し掛けて来たやつの元へもどった。
手首はがかなり痛い、腕をずらしたことと、滴が直ぐに引いたことによって、傷は深くないが。
日本で生暖かく暮らしてた。ものにはかなりの痛みだ。
「ほお、お前結構強いな。」
「…………」
「今日の所は引いてやるよ。」
そういい、二人は走ってどこに消えた。
どういうことだ?何で逃げた?さっきの戦いではたいして、実力は把握出来なかったはずだ。
そう、不気味に思っていると。後ろから、走って近付いてくる人の気配を感じた。
「おーーーい、大丈夫か~~」
なるほど、あの人達がこっちに来るのを、分かったから引いたのか。部が悪いと思って。
「はい、手首を切られましたが。回復魔法を使えるにで大丈夫です」
「そうかなら良かった。あいつらに絡まれてるのを、ホークアイで見つけて、急いで来てみたが。無事で何よりだ。」
「そうですか。ありがとうございます」
「そうだ、自己紹介はまだだったな。俺はリート、Bランク冒険者だ。」
「私は昨日、冒険者になったばかりの。新人のケンヤです、」
「そうか、新人か……」
「どうかしました?」
「いや、何でもない。」
「今からギルドに依頼報酬を貰いに行くのですが。一緒にどうですか? 助けて貰ったお礼に何か奢りますよ」
「いや、止めとく、まだあいつらがここに。いるかも知れないし、私はお前を助けた覚えもない。それに新人に飯を奢らせる訳にもいかん」
「そうですか。それでは。」
「ああ、じゃあな。」
リートさんはそういい、出口とは反対方向に歩いていった。
俺は、そのまま、ギルドに報酬 (銀貨1枚と大銅貨1枚)を受けとり、宿に帰って、ご飯を食べずに、深い眠りにつくのだった。