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詩*祈りのようなもの*

雨、そして祈り

作者: a i o

仄暗い部屋の片隅で

雨の音を聞いている


静かに

泣いているような

堪えられそうもなく

叫んでいるような

君の声に似ていて


耳を澄ます


感情のすべてを

名付けなくてもいい

どんな想いも

今君をつくるすべて

追えない

終えられない過去に

君が

囚われることなどないよう


薄らとざわつく灯りの中で

雨の音を聞いている


静かに

ついたため息のような

なりふり構わず

叩いているような

君の声に似ていて


耳を澄ます


感情のすべてに

蓋をしなくてもいい

どんな想いも

今君に渦巻くすべて

明けない

開けられない夜明けに

君が

奪われることなどないよう



不甲斐ないガラス窓の内側で

雨の音を聞いている


君を勇気付ける

言葉も見当たらない僕は


降り落ちずにはいられない

その音に耳を澄ませて


打ち付ける痛みも

流れ出る悲しみも

掌からは程遠くて僕は


振動する

雨の音を拾い集めて

静かに

ただ

静かに祈っている


いつか

君が君を許した吐息が

あたたかな雨となり


躊躇いもなくどうか

その心に降り落ちるよう







荒れ狂う嵐もいつか凪ぐように

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