第九話 宰相
俺たちは宰相の部屋の前にいた。
バースが部屋のドアの前に一歩出て、ノックした。
「コア軍隊、参りました。」バースが唱えた。するとドアの向こうから
「入れ」という厳格な声が聞こえた。俺達はバースを先頭にして中に入った。部屋の中は殺風景で書斎が2、3台と大きな机があるだけだった。その真中に男性が一人座っていた。大柄でだれも寄せ付けない近寄りがたい威圧感を放っている彼が恐らく
「宰相」だろう。
宰相は深くため息をつくとバースを見つめた。
そして、厳格な声で話し始めた。
「バース・・・今回の事どう感じている??」
「はい、これは自分のミスです。」
「それだけか?」
「い、いえ、フィアットを失った事は我が軍隊にとっても大変な損失で・・・「そうだ、大損害だな。で、これからどうするつもりだ?3日後にはカリブに行ってもらうぞ。」
「え?!カリブにですか?」
「ああ、今カリブは主力部隊が遠征に出て、カリブを守っているのは小さな傭兵団だけだと聞いている。そこなら、お前達だけでも問題ないだろう?」
「はぁ・・・ですが自分達はたったの四人、もし、これ以上戦力をおとすようなことが有りますと・・・
「バース、私の命令に逆らう気か?」宰相は俺達を物凄い目で睨んだ。そこにいた、全員が蛇に睨まれた蛙のような気分になった。反論がないと分かると宰相は満足気な顔でコリンズ達に言った。
「君達はまだ新米だが、実力は私が保証する。危ないと思ったら帰ってきなさい。」
その言葉を聞いたバースを除く俺達は安堵に包まれた。
「宰相!私頑張ります!コアの為に!」アルザが言った。
「そうか期待してるよ、アルザ。」宰相は笑顔でアルザの問いかけに答えた。
何だ、人・・・怖い人だと思ったけどいい人そうじゃないかと俺は思った。
「ああ、ニック。君には後で話がある。またきてくれるか?」帰り際に宰相が言った。