第五話 コア軍隊
俺は中に入ってみて、おどろいた。洒落た店の中には、何もなかった。あるのは、テーブルがひとつくらいだった。
そのテーブルを囲んでいる数人の人間が確認できた。おそらく、フィアットが言っていたコアの残りの軍人だろう。彼らはテーブルを囲んで宴じていたが、おれたちに気付いたらしく、一人の青年が手招きした。どうやら、俺の席もあるらしい。席につくと、向かいに座ってい少女が身を乗りだして、質問してきた。
「貴方誰?フィアットの彼女?!」
彼女?男だぞ・・・俺は。誰一人として、少女の質問には反応しなかったため、妙な沈黙が続く。
突破口となったのが、フィアットの一言だった。
「あー、コリンズ?ちゃんと皆に説明したのか?」
コリンズと呼ばれた青年は俺は悪くないというように反論した。
「したさ!!でもアルザの奴、一人で別世界に行って俺の話聞かねーんだもん」アルザと呼ばれたのはさっきとんでもない質問をふっかけた、白銀の少女だろう。
「まぁまぁ、二人ともこんなときに喧嘩はやめなよ。うん、コリンズの説明はよくわかったよ。だからさぁ」と切り出ししたのはさきほど俺に手招きした男性だ。
だが、ここでアルザがヒステリックに叫んだ。
「何よニルバーナ!それじゃあ私が悪いみたいじゃない。
「そんなこと言ってないさ、アルザただ折角、リーダーが来たんだからもめるのはよそうよ。
と静かにアルザをなだめるニルバーナ、しかも、この男、顔が仮面でおおわれてるため、おこってるのか、笑っているのかよくわからない。
そんな中で一人だけ、黙っている男性がいた。皆、基本的に顔は白色だが、彼だけ黒人なのでよくめだつ。「やめろ」
彼が一言いうとあたりはさっきまでの口論が嘘の様に静まった。フィアットが俺に耳打ちした。
「彼がバース。この道二十年の歴戦の勇者だ」
バース?何処かで聞いたような・・・
バースは俺の方に手をさしのべてきた。
「俺はバース、ここの隊長をやっているものだ。で、あの仮面がニルバーナ、で銀髪がアルザ、眼鏡がコリンズだ、みんな個性的だからすぐおぼえるだろ?
とバースが笑った。




