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バナナマン

作者: 甘桜歓喜
掲載日:2026/02/16

リックアンドモーティをイメージして書いた作品です。どうぞご覧ください。

信じられなかったが、その日世界は滅亡した。


9月11日。

その日は学校だったが、俺は家で休んでいた。ついこの間まで夏休みだったが、俺は夏休み明け以来ずっと家に引きこもっている。


親には適当に嘘をついて誤魔化しているが、そろそろ本格的に学校に連れていかれそうだ。

さて、なぜ俺が学校を休んでいるのかを話そう。


それは。


ニョキニョキニョキ


「はぁ、、また来たか」

俺の掌の中心に黄色い突起状のものがうきあがる。

黄色い突起はそのままニョキニョキ生えてきて、途中から太くなり最後にまた少し細くなり、床に落ちる。

それはまさかの、みんな大好きバナナだった。

「もういいってバナナは〜」

夏休みある日突然、右掌からバナナを生み出す能力を手に入れてしまった。

原因はまったくわからないが、友達や親にも相談できず、放っておけば治ると思い部屋に引きこもり続けている。


しかし、この通り以前としてバナナは生まれ続けていた。


とりあえず俺はバナナを拾い食べてみる。

「うん。美味い」

自家製バナナを口に放り込む。正直、もう2週間もこれを食べているせいで、体臭までバナナ園になりかけている。

「そうだ!このままバナナをストックしていって売るのはどうだろう!」

俺はそう思いいたると早速行動に移した。

商売するとしたら協力者がいる。親が金持ちで、ガレージとか貸してくれて、手からバナナ出る話してもギリ受け入れてくれそうなやつ。

俺は夕方、さっそく友達のヨウスケに電話をした。

「もしもし〜」

「んなに?お前学校こいよ」

ヨウスケは気の抜けた声で答える。

「おれさ!手から無限にバナナ出せるようになったんだけど!一緒にバナナ売らね?」

「マジ。いいよー」

そうして俺はヨウスケの家に行った。



「え、てかバナナ出せるってマジなの?」

「ああ!みてろ!」

俺は目の前に掌を出す。

10秒たったが、何も起こらなかった。

「出ないじゃん」

「あれ?いつも1時間に一本ペースで出るんだけどな」

すると次の瞬間。

ニョキニョキ

手のひらバナナが出てきた。


「お!ほら!出てきた!」

「うん。なんていうか。きも」


そうしてバナナ10秒ほどかけて生成され、地面にぼとっと落ちた。

「うんこみてぇ」

「これを試しに100本くらい作ってお前ん家のガレージで売ろうと思うんだけど、どうかな!」

「まあいいけど。分け前はどうする?」

「それは俺が9でお前が1だろ!俺が作ってるんだからな!」

「おっけー」

そうして俺らのビジネスが確定した時、ヨウスケの家のチャイムがなった。

「誰だろう?」

「とりあえず見に行くか」

俺たちは玄関にいき扉を開けると、そこには黒いサングラスに黒いコートの男がいた。

「君たち。ちょっときてもらおうか」

俺たちは近くの公園に場所を移した。

「この世界で実は今バグが起こっているんだ」

「バグ?」

「何言ってんだコイツ」

「ああ、突然すまないね。私はこう言うものだ」

男は深夜のテレビショッピングで売っていそうな、嘘くさい金ピカの名刺を取り出した。それはどこかしらの会社の名刺のようだったが、会社名はまったく見覚えのないようなものだった。

「まず、信じられないかもしれないが、この世界は仮装世界で、現実ではないんだ」

俺とヨウスケは彼が何を言っているのかさっぱりわからなかった。

「まあ、突然こんな事言われてもよくわからないよな。ただ、時間がないから聞いて欲しい。君のバナナに関係する話なんだが、この世界は人間から物体。微粒子や空、宇宙に至るまでが全てプログラムなんだ。もちろん君たちも、僕もそうだ」

さらっと言われた衝撃の事実に俺は身震いを覚えた。

「それは、どうやって信じろって言うんだよ」

「じゃあ証拠を見せよう」

すると男は徐に手を出した。

「管理者権限」

彼がそういうと、男の手のひらに野球の硬球ボールが現れた。

「なにそれ!手品!」

「いや、君のバナナと同じで、プログラムをいじって手からボールを発生させたんだ」

「なるほどね。でもそれだけじゃ信じられないよ」

「わかった。じゃあこれはどうだい?」

男はまたおもむろに手を出す。

「管理者権限」

そういうと次の瞬間。俺のシャツが、低予算アニメのミスみたいに一瞬で消滅した

「え?あれ?どうなってんの?」

「君の服を消滅させたんだ。プログラムから排除した」

「えー」

「俺にもなんかしてよ」

ヨウスケは言った。

「例えば何がいいんだい?」

「じゃあ俺のこと美少女にしてくれない?それでイケメンとヤりまくるんだ〜」

「管理者権限」

次の瞬間、ヨウスケは美少女に変身した。

「うおおおお!!!見てくれよこの曲線美!!!これでクラスのイケメンたちを片っ端から骨抜きにして人生をイージーモードで全クリしてやるぜ!あんたよくわかんないけど最高だな!すげー!これでヤりまくりだ!入れ食いだ!」

「これで信じてもらえましたか?ちなみに私はこの世界の均衡を保つ存在です。コンピュータで言うところのセキュリティソフトです」

「へーじゃあソフトさんって呼べばいいすか?」

「いや、神様でしょ。だって俺のこと転生させてくれたし」

「なんでもいいです。とりあえず本題に入りましょう。あなたの手からバナナが出るという現象は、ゲームで言うところのバグに当たるものになります。今すぐ修正しないと、この世界に甚大な欠陥が生まれる可能性があります。なので、今からあなたのデータを改善させていただきます」

「え、じゃあ一億円円くれるならいいよ」

「管理者権限」

次の瞬間。俺の手のひらに分厚いスーツケースが出現し、中を開けると一層の札束が綺麗に収まっていた。

「やったぜ!よし、じゃあ俺はどうすればいい?」

「今から、プログラムから消えていただきます」

「は?なにそれ」

「まあ、端的に言うと存在が消えます」

「なにそれ?死ぬって事?」

「死ぬとは少し違います。そもそもこの世界はループしているため、死んでもしばらくしたら何気ない日常の朝から記憶をリセットした状態で再スタートするからです。つまり、録画番組を最初から再生し直すようなものですよ」

「えー、、夢も希望もねーな」

「ま、タカシが死んだから一億円は大事に使うからさ」

「いやお前さ。美少女で金持ちでヤリマンて、、港区女子かよ」

「では、消えてもらいます」

「嫌だわ!存在消えるとかそんな得体知れないこと!」

「じゃあこの世界に欠陥が生まれてもいいんですか?それこそ得体の知れない事になりますよ」

「いいじゃん別に。世の中なんて元々欠陥だらけだろ。生まれつきモテるやつもいれば、死ぬまで童貞な奴もいる。努力しても成り上がれない奴もいれば、努力しなくても金持ってる奴もいる。戦争もあるし差別もある。不平等で醜くて欠陥だらけだけどみんな平和だ幸せだって言って生きてるんだよ、この世界は。今さらどれだけめちゃくちゃになったって、きっと上手くやっていけるさ」

「フッ。言いたいことはそれだけですか?」

「ええ、、俺今けっこういい事言ってなかった?」

「いずれしても、私はプログラムの意思によってあなたの排除を委ねられているので、私の意思は揺らぎません」

「ったく。どうせループさせんなら、俺のルックスもっとイケメンにしろや」

俺は身構えた。まずい。コイツが管理者権限とか言ったら俺は得体の知れない事になる。

次の瞬間、手のひらからバナナが勢いよく飛び出した。そしてそれは神様の顔面にぶつかった。

「ひゃ、ひゃあ!」

神様は顔を抱えてうろたえ出した。

「システムがバッ、バッ、バナナッ!繝舌リ繝縺!!バグが!バグが!バグが繝舌リ繝」

次の瞬間、神様の輪郭が激しくブレ始め、何千本ものバナナの山となって地面に崩れ落ちた。後には完熟した甘い香りと、虚しい静寂だけが残った。

「はあ、どうする?」

「さあ、とりあえずこのバナナ売ろうぜ」

「そうだな」

俺たちは荷車を持ってきて、バナナを乗せて帰ることにした。

帰り際、美少女ヨウスケが言った。

「そういえばさっきの分け前の話だけど、俺美少女になったから、俺が10でお前が0でいい?」

「毎日やらせてくれるならいいよ」

「いいよー」

数秒後、空に亀裂が入った。

「あ、あれが欠陥てやつか」

「ていうかもう壊れそうじゃない?」

「じゃあ最後に1発だけやらせてよ。童貞のまま死にたくない」

「ったくしゃーねーな」

ヨウスケは笑う。俺たちは手を繋いで公園の公衆トイレに入った。

この作品のポイントは、世界が滅びるかもしれない場面をゴミみたいに扱うところです。そこにカートゥーン特有のブラックユーモアを込めています。最後まで読んでいただきありがとうございました。

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