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第伍話 会談をやります。

(やっぱり無いか…)


 俺は図書館で俺とワイアットのような一つの身体に2つの魂が入っている事についての何か手がかりがないか探していた。


 《無さそうだな。》


 ワイアットも諦めたように言った。


「お?珍しいな。ワイアットが図書館だなんて。」

 

クロードが声をかけてきた。


「おう、クロードか。まぁ、気分転換みたいな?」

「そうか。て言うか、明日だぞ。」


 ん?なにがだ?

 その時、俺の脳裏に一つの映像が浮かび上がった。

 大きな丸いテーブルを囲むように座る6人の人。

 一人は巨男、もう二人目は仮面をつけた男、

 三人目は、白髪の女の子、赤毛の髪の女の子、

 そしてクロードとワイアットが居た。

 そう、ワイアット自身の記憶だった。


(なんだ?これ?)


 俺がワイアットに聞きく。


 《俺の記憶だ。俺とクロードは2ヶ月に一回会談に出席しないといけない。それぞれの国の最も強い兵士6人が集まり、今後について話す会議。この国では俺とクロード2人が代表だ。

 その6人のことを六連星むつらぼしという。》


 六連星…なるほど。


「明日の何時だっけ?」


 俺がクロードに聞いてみた。


「ん?え〜と、午後1時からだよ。」


 笑顔で答えてくれるクロード。優しいね。


「わかった!ありがと。」


 俺は笑顔でクロードに御礼を言い、そこを後にした。


「なんか、忙しいのか?

 にしても…ちょっと前までは普通だったのに笑顔で返事したり、人が変わったみたいだな。」


 会談の日。


「行くか?」


 俺がクロードに聞くと頷きながら言った。


「そうだな。」


 そうして、俺たちは向かった。

 向かっている最中。ワイアットが釘を刺してきた。


 《いいか。くれぐれも、変なこと言うなよ?

 もしあれだったら俺がお前を殺す。》


 怖い、怖い、怖い


(分かったって…)


 焦るように言う俺。

 そうこう言っている間に到着。

 会談の場所はいつもそれぞれの代表兵士の国を

ローテーションで回す、今回は俺たちの国が会談の舞台。

 俺たちの寮から少し離れた場所。

 アレストロが国会会議する部屋の隣の部屋が会談する部屋だ。

 国の最も重要な場所の一つ。


「中にお入りください。」


 部屋の前に行くと、一人のメイドがそう言い扉を開けてきた。

 このメイドかわいい。

 青い髪に白い肌、こういう人を前世彼女にしたかった。

 ともかく、部屋に入ると記憶通り机があり、それを囲むように椅子が配置されている。

 案外綺麗な部屋で白い壁紙に、地面には机のある方角に向けてレッドカーペットが引かれている。

 部屋に入って左手の方にはでかい窓がついていた。


「俺たちが最初みたいだな。」


 クロードが座りながらそう言う。


「ああ、そうだな。」


 俺が座りながらそう返事した。

 中に他にも3人のメイドがいる。

 緑、赤、黄色の髪色をしたメイドたちが紅茶の準備をしている。

 そんな事思っていると,

 扉が勢いよく開いた。


「よおー!クロードと最恐の兵士ワイアットくんじゃあないか!」


 そう言いながら入ってきたのは、記憶で見た赤毛の女だ。

 白い軍服で赤毛の長い髪の毛のこの女。


(こいつは?)


 俺がワイアットに慌てて聞く。


 《近代国家ローズンで無双してるらしい兵士、テリー・ラミレス毎回俺に喧嘩を売ってきて負ける奴だ。異名は脅威の鬼神。》


 自信満々に答えるワイアット。

 ドヤっているな。顔は見れないがドヤっている。

 ていうか、みんな異名があるのか。


「テリー。席につけ。」


 クロードが静かに言う。


「はいはい、言われなくてもわかっている。」


 それをあしらうように舐めた態度をとる、

テリー。

 うざいな。

 その時また扉が空いた。

 二人入ってきた。

 2メートル以上あるガタイのいい男真っ黒の迷彩服で短髪の男が入ってきた。

 やばい、強そう。

 もう一人は小柄で仮面を着けている。

 青っぽい軍服で軽い小さめのマントをつけている。

 茶髪で後ろで少し結んでいる。


(ワイアット、説明よろ。)


 俺が慣れたように言う。


 《お前な…巨男はサンディー・ロバーツ先進国家ソルトの兵士異名は国の守護神、

 仮面をつけてる奴は俺たちと同じタイプの国、

軍事国家ハルツの兵士、ロジャー・アクロイド異名は正体不明の軍神》


 一人に関しては異名というか何というか,

 ていうか、あと一人は?

 遅くない?遅刻?

 そう思っていると、


「すみません遅れました!!」


 扉を勢いよく開け、一人入ってきた。

 白髪の青い目の少女。

 水色の軍服。

 なんだろ、かわいい。


 《こいつは俺とまぁまぁ仲がいいな。

 名前はメーリン・ライト。難攻不落。

国が建国された時から唯一、一回も落とされていない最強の国、マーリツ王国の兵士、異名は海の母。》


 海の母?今までとは少し違った異名だな。


(あれ?もしかしてだけどさ、クロードも異名ある?)


 俺がそう言うと思い出したかのように話し出したワイアット。


 《あ〜そういえば言ってなかったな。 

 無殺の兵士だな。》


 無殺の兵士…案外殺さないのか?


 《ああ、クロードは基本殺さない。

 いい奴だからな。》


 こいつがここまで信頼するのは珍しいな。


「では、全員お集まりしたのでこれより、六連星の方々の会談を始めます。」


 さっきいた青い髪のメイドが入ってきてそう宣言してきた。

 そうして、会談が始まった。


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