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第肆話 決着の時間

 (しかし、スタンの奴随分と大胆にきたな。

 いつもはこんなことしないのに…自信があるか?)


 スタンの射撃がクロードを追い詰める。


「なんだ、なんだ?スタンがクロードを追い詰めてる?」


 この戦いを見ていた兵士たちもいつもは見ない

光景を前に少し、動揺していた。


(クロード、今日のお前は、前回の戦いで右肩を

多少負傷している…

 その腕じゃ、IMI UZIは撃てねよな。)


 スタンは徐々にクロードが隠れる岩陰に近づく、


「クロード!今回は俺の勝ちだぜ!」


 IMI UZIを構え、スタンはクロードの隠れている岩陰を覗き込んだ。


「居ない!?」


 だが、クロードは岩陰には居なかった。

(逃げた、、いや、でも姿は見えなかった。)


 その時、


「後ろだ。」


 後ろから声が聞こえた。

 スタンが振り返るとクロードが SIG 226の銃口をスタンの方に向けている。


「バン!なんちゃってな。

 はい死亡。アウトだよスタン。」

 ふざけるように言うクロード。


「ふ、またかよ…でもいつ俺の背後に移動した?」


 スタンがクロードに質問するが、クロードは笑いながら説明した。


「お前が油断してただけ、俺は気配を消せるんだよ。能力じゃないぞ。影が薄いんだ。

 お前がサブマシンガンぶっ放している時、岩陰を覗き込んだ隙ちょうど裏を回ったんだよ。」


 それを聞いて呆れたように言うスタン。


「お前、それは無理があるだろ…

 いつか、ちゃんとしたトリック教えろよ?」

「は〜?ホントだよ!でも、今回は少し焦ったぞ。」


 笑いながら二人で話し合うスタンとクロードだった。

 クロードvsスタン

 クロードの勝利。


 ―――――――――――――――――――


 それと同時期。

 違うとこではナイフ同士の戦いが続いていた。


「あっ!あぶね!」

「いい加減避けるのやめろ!」

 そう文句を言ってくるアシュリー。


「いや、ナイフは避けないと怪我するでしょ!」


 俺が言うも、聞く耳を持たないアシュリー。


 《おい、いい加減SIG 226に持ち変えろ。》


 そう指示してくるワイアット。

 確かに,今はお互いナイフでやり合っている。

 近距離だし、軽いしでさっさとそいつで撃っちゃえば終わる。

 それに実弾じゃないから死なないし…

 そう思い、構えた時、お互い考えていたことは同じなようで、構えるタイミングがお互いに被った。


「「おい!」」


 言葉でさえも被ってしまう。


 《仲良いなお前ら。》


 呆れたように言うワイアット。


 《一旦下がれ。体制を立て直す。》

(了解!)


 そう返事し、ひとまずアシュリーと間隔を離した。

 だが、アシュリーはそれを見逃さずすぐさま攻めてきた。

 しかも、アシュリーの手に持っているのは拳銃ではなく、サブマシンガン。

 こんな近距離でぶっ放してくる気だ。


(まずい、当たる!)


 その時、

 俺の腕がまた勝手に動いた。ワイアットだった。

 バン!

 銃声が鳴り響いた。

 アシュリーのおでこに軽い銃弾がポンと当たった。


「アシュリーアウト。

 勝者、クロード、ワイアットチーム。」


 ロニー上官がそう言い、俺たちはなんとか勝つことができた。


「おお〜今回はどちらも接戦だったな。」

「いや〜でも、最後のワイアットの射撃センス?

 エイム良すぎだろ。さすが、兵長って感じだな。」


 見ていた兵士たちが盛り上がり話していた。


(ふうー危なかった。

 危うく負けるとこだった。いやーないす。ワイアット。)

 《俺は俺の名誉を守っただけだからな。》


 そう言うワイアット。ツンデレかな。

 クロードたちも駆け寄ってきた。


「やるね。ワイアット。」

 褒めてくれるクロード。


「も〜今回は勝てたと思ったのに…」

 悔しがるアシュリー。


「さすがだな。ワイアット。」

 人柄がいい、スタン


「はは、ありがとう。」


 俺の手柄じゃ無いけど、勝てたのはうれしい。

 それにしてもやっぱワイアットは強いんだな。

 的確に相手に当てる正確性。すごいな。


 ――――――――――――――――――――


 そうして、俺たちは寮の部屋に戻った。


 戻った後、営庭に入る一人の老師と一人の若い男が現れた。


「ワイアット・ブルース…噂で聞いていたが最後の射撃センス。あんなの誰でもできる。

 期待はずれ…だが、前見た時よりまるで人が違うかのように変わっておる…」


 そう淡々と話す老師。


「そうですね。まぁ〜僕はクロード・ハリスを推します。我が国に入れば最強ですよ。

 見てみたいです。あの二人の戦い最強対最恐。」


 老師の言葉に同意する男。


「じゃな。では決まりじゃ…」


 そうして、二人の人はその場を後にした。





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