表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
29/31

第弐拾捌話 勝ち筋

「どうする、、」


 クロードは考える。どうすれば、いいのか、

 どうすればここを脱せるのか。

 ワイアットよりも高いIQに、高い冷静な判断力を全て使い考える。

 そして、導いた答えは一つ。

 自分の死である。


「……ワイアット、」

「、、なんだ?」


 俺はクロードに呼ばれた。

 クロードの顔はいつもより暗く感じたが、それと同時になにか覚悟を持っている。そんな顔、表情だった。


「頼むな……」

「え?」

 《は?》


 直ぐに俺の右腕が、クロードの首を絞める。

 それは、ワイアットの仕業だ。


「ちょっ!」


 ロジャーが直ぐに止めに入る。

 俺も腕を離そうとするも、全然離れない、


「くっ、、勘がいいな、相変わらず……」

(おい、ワイアット!、)


 直ぐに俺の意識はワイアットに飲み込まれた。


「やらせねえ!死ぬ気だろ!」

「兵士……だからな、」

「ふざけんな!」

「え、どういうこと?」


 ロジャーは困惑していた。

 クロードは自分を差し出して、その間にワイアットを含めたみんなを逃す気だった。


「……」


 周りは静寂に包まれた。


「さてと、話は済んだか?」


 ノックスがそう言ってこちらを覗き込む。


「俺を飲み込め。ただし、他の奴を生かすのが条件だ。」


 クロードがそう言って、ワイアットをどかし、ノックスに条件を向ける。


「よかろう、まぁ、全員飲み込みたかったが、仕方ないな。だが、、ワイアットもだ。」

「は?」


 ノックスは話し続ける。


「ワイアットは危険だからな、」

「ちょっと待て!ふざけんな、お前!」


 ロジャーは、殴りかかろうとするがメーリンに止められる。


「俺は構わない。」

「いいのか?ワイアット、」

「ああ、」


 そうして、意識は俺に戻った。


(え、ほんとにどう言うこと?)

 《悪いな、お前も道連れだ。》

「だ、、め、です!」


 遠くから、微かに声が聞こえた。

 セリーナである。


「おや?まだ生きてたのか?」


 ノックスがそう言って近づこうとするも、直ぐにアシュリーが発砲して、止める。


「……よかろう、そいつも生かすよ。」


 そうして、アシュリーはセリーナを背負い、

 テリーはツキを背負って、メーリンがロジャーを抑え、逃げる準備をする。


「ヴォルクス、道を開けろ。」


 ノックスがそう言って、ヴォルクスに命令する。

 そうして、嫌々退き道を開けることにした。


「お前らは、バミューダという都市に迎え。

 命令でね、」


 ノックスがそう言って、ヴォルクスとエドワードに命令をする。


「わかったよ、」

「……」


 そうして、2人はバミューダに向かった。

 ノックスは、辺りにいた黒服を下がらせ、クロードとワイアットを喰べる準備をする。


「時代の終わり、おつかれ、最強。」


 そうして、ノックスはワイアットとクロードを飲み込もうと、カムイの時に出てきた黒いものを向かわせる。

 向かってくるその時、


「なぁ、クロード。」

「ん?」

「もしも俺が、今ワイアットじゃないって言ったら信じるか?」


 首を傾げるクロード。


「どう言う意味?」

「そうだな、題名をつけて分かりやすく言うと、

 転生したら、最強兵士の身体に居着いていました。

 みたいな?」


 その瞬間、それを合図にワイアットは足を動かしてクロードを抱え攻撃を回避する。


「なに?」


 その合図と同時に少し離れたところで、メーリンがバリアでロジャー達、皆んなをバリアで囲い、

 もう一つ、帝国を丸々と囲う大きなバリアを展開させた。

 そうして、六連星を、アレストロを中心とした国々の兵士達がようやく集合する。


「ったく!お前ら!いいな?任務は、クロード、そして、ワイアットの救出!だ!」


 そうして、兵士達が走ってアルゼリア帝国に向かう中、装甲車の上から大声で指示を出す、メレディス上官。


「元気すぎだろ、上官。」

「あのおじさん、少しうるさいぐらい。ほんとに

怪我人ですか?」


 テリーに仕えるメイドのローラが、そう言ってメレディスを指差す。

 ロニー上官も呆れてそう思った。


「皆さん大丈夫っすか?」

「田中彼方!」


 そうして、バリアに守られながら、セリーナを背負っているアシュリーが田中の存在に気付いた。


「あ!何にもしなかったアシュリーさん!生きてたんすね!なんか今回はしましたか?」

「調子乗んな!」


 そうして、まだ元気そうなアシュリーであった。


「メレディス上官?大丈夫なんですか?」

「ん?ロニーか、ああ。部下が頑張ってんのに休むわけにはいかん。アイツらを救出するぞ!

 いや……アイツらに救出は要らねえな。"援護"だ!」


 帝国内、


「お前!まさか、、ここまで見越してたのか?

 ワイアット!」


 クロードが驚いて、ワイアットを見つめる。


「まさか、何にも無しにまじで死ぬ気だったとはな、」

 《呆れたもんだ、、まぁ……》

「《兵士としては、満点だけどな!》」


 クロードは、少し微笑みながら頷いた。


「……ああ、"勝ち筋"が見えたよ。」

「そりゃ、よかった!反撃開始だ!」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ