第弐拾漆話 絶望
(どうなってる、なぜ走行が破られた……)
すぐに、ワイアットは距離を詰め攻撃を始める。
そうして、銃弾は全てワイアットの思った通りに動く。
全て計算された射撃。そして、ヴォルクスの動きが全て読まれていた。
「……これが、最強か、、!」
そうして、ワイアットは一気に距離を詰める。
「……近づいてくるか、」
その瞬間、ヴォルクスは肩からミサイルを発射する。
「……!勘弁してほしいな!」
すぐさまワイアットは距離を取り、ミサイルを回避するがその瞬間、先ほどよりも早くヴォルクスが動き腕から刃物を出しワイアットの足を攻撃する。
「ぐっ、、」
(喰らった?)
《生憎な!》
「なまってるんじゃないか?ワイアット!」
だが、その瞬間弱った装甲に刀が突き刺さる。
(なんだ?)
ヴォルクスは混乱する。
なぜ刀が刺さった。誰の仕業なのか、
すぐ後ろを見ると、そこにはクロードが立っていた。刺さったのは、軍刀だった。
それは亡くなったカムイの軍刀。
カムイの軍刀は、一時代前のものであり魔力や魔法などは篭っていない。そのため、存在に気づかなかったのだ。
動作不良、
ヴォルクスの動きが止まる。
「ちっ!」
「おい!ヴォルクス、」
エドワードが呆れる。
そうして、すぐにクロードに攻撃を喰らわそうとするも、メーリンのバリアによって塞がれてしまう。
直ぐに、皆んなは逃げる準備をする。
アシュリーは動けるようになったスタンに肩を貸し、セリーナはツキをおぶる。
メーリンがバリアを展開しながら、テリーと手を繋ぎなんとか皆んな逃げる。
《交代!》
(了解!)
そうして、時間制限が来たため、ワイアットの魂から俺へと変更する。
「クロード!いいのか?とどめ刺さなくて、、」
俺が聞いてみると、クロードは首を縦に振る。
「当たり前だ!あんなの勝てない、というか殺せない。」
「待て!アイツに一発!」
ロジャーが意識を直ぐにヴォルクスに向ける。
やる気満々の様子。
直ぐに、俺とクロードでロジャーを取り押さえる。
「離せ!サンディの仇!アイツを骨に!生まれてきたこと後悔させるんだー!」
「やめておけ!」
「なぜ!?絶対に戻ってくるから!」
「遺骨になって戻ってくるわ!!」
「なんだと思ってるんだよ!」
そうして、俺とクロードでロジャーを抑えて逃げることに成功。
「あぶな!」
なんとか入り口が見えてくる。
「入り口だ!」
スタンが、先導しながらそう言って叫ぶ。
メーリン、ツキも笑顔を取り戻した。
逃げ切れる。そう思ったその時、
上から、ヴォルクスが降ってくる。
そうして、スタンが下敷きになり死亡。
「やってくれたな、ワイアット、」
「お前!」
だが、その瞬間、裏からノックスがこちらに向かって刀を振り上げる、
《下がれ!》
「え、、」
激痛に襲われる。
目を切られた。
直ぐにわかった。
左目がぼやけている。
「ワイアット!」
(やられた、、)
そうして、直ぐにセリーナが走り出す。
それは、激怒。主人に危害を加えられたことにより怒りの衝動に駆られたのだ。
ツキを下ろし、ノックスに向かって、走る。
だが、エドワードが直ぐに光の速さでセリーナを吹き飛ばす。
瓦礫の破片が腹部に刺さり、血を流している。
「……」
《嘘だろ、》
絶望の渦に俺たちは飲み込まれた。
違う、スタン。違うんだよ、悪かったと思っている。




