第弐拾参話 人はみんな違くて良いな
「すごいな!クロード!射撃命中率95%!
天才だな、、」
1人の訓練兵がクロードに話しかける。
「まだまだだよ、」
「ねぇ!クロード!今度銃の扱い方法教えてよ!
共感より優しいし、わかりやすい!」
「ああ、今度ね。」
「クロード、お前は訓練兵の中でトップクラスの成績だ、そのまま励むように。」
「はい!」
訓練兵時代、俺は誰からにも慕われ"完璧"を演じた。
誰からにも優秀や天才と言われる。
嬉しかった。
誰も俺を超えられないと思った。
だが、
「おい、あれ……」
そうして、1人の訓練兵の少年を指差す。
それは、少しピンクががった背が低い男の子、ワイアットだった。
何やら、目つきが悪い。
「射撃命中率100%。銃の扱い含めて全て満点の奴だよ、」
「え?クロードとどっちが上なの?」
「それは……」
1人の訓練兵が、言葉を濁す。
全て聞こえていた。
その会話、周りからも噂になる男。
興味を持ったクロードは影からワイアットを見ていた。
その時知った。
本物の"天才"を、頑張って努力して、それでも報われないことがある。
俺は頑張って完璧を演じた。
だが、本物はそんなことなんて知らず、平然と結果を更新し続ける。
そんな ワイアットが、クロードは怖かった。
(あんなの、バケモノ……天才どころじゃ無い、最強だ、)
そうして、クロードはその日から今よりもずっと居残り、復習や予習をし続けた。
「命中率97%、まだまだだな、」
その日もいつも通り、居残りをしていた。
「お前、最近ずっといるよな」
そうして、気付かないうちに背後に立っていた ワイアットに、クロードは驚く。
「いつの間に………」
「最初の時からずっといたが……」
(こいつ、殺し屋かよ、)
「さすが、成績2位、射撃率97……高いな、」
そうして、甘そうなお菓子を食べながらワイアットはクロードの出した、射撃率に感心していた。
(高いって、コイツに言われてもな、)
「なぁ、その……あのさ!俺いつもペア組む時、1人だから、一緒に組んでくれるか?」
言いづらそうに、クロードを見上げて頼み込んだ。
ワイアットは身長160、クロードは180と、かなり体格差があった。
そこでクロードは理解した。
ワイアットはずっと無言だったり、目つきが悪かった。それは、単に話したいけど話せない。
いわゆるコミュ障だったのだ。
最強にも弱点があるんだなと思ったと同時に、多分誰もワイアットと組みたがらないのは、 ワイアットについていけないからだろう。
「なるほどね、」
(コイツは、俺に持っている物を持っていなくて、みんなが持っていない物を持ってる。
誰もコイツみたいに最強にはなれないけど、みんなみたいに凡人にもなれない。)
人はみんな違っていいな、そう思ったクロードであった。
「おい!返事は?」
「ん?ああ、勿論?いいよ!」
「やった、」
そうして、2人は知り合った。
最初は、クロードが一方的に嫌っていたが、今はお互い認め合っている。そんな存在になっていた。
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(なんで、今これを思い出したんだ……)
カムイに襲いかかるクロードは困惑した。
その時、クロードの異変に察知した黒服は、直ぐに行動に移る。
(抑えきれない、、強くなってる、ん?まさか、)
その時、カムイは気づいた、クロードよりも早く猛スピードで先ほどクロードに命令を出した1人の黒服が、 ワイアットに襲いかかる。
「ワイアット!!」
カムイがそう叫ぶ。
《なに?、、後ろか!気配を察知できなかった!
避けろ!》
ワイアットがそう叫んでいるのが聞こえた。
だが、間に合わない。
「まずい……刺され……」
ワイアットの視界に、剣が映る。それは……
裏話、
クロードが、居残りをしていた時、
バン!バン!
「まだまだだな、、」
クロードの背後には、ワイアットが立っていた。
(もう30分経ってる。のに、、!コイツ、全然気付かないじゃん!いつ気づくのかな、
行ったほうがいい?声かけたほうがいいかな?)
自分でも気づかないほどに隠密にも才能があり、困惑するワイアットであった。




