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第弐拾話 突然

「は!?滅んだ!?」


 サンディが慌てて聞き返す。


「まぁ、滅んだっていうか、攻められて結構ひどい状態。追い返したけどな、」

「私なんか、酷い有様だよ……」


 メーリンがそういって、しょんぼりしている声が聞こえる。


「え?でも、メーリンのとこって、一回も破られてないじゃん!」


 テリーが思い出したようにそう言うと、ため息をつきメーリンが説明してくれた。


「それがね、、いつもすぐに察知できる魔力障壁が破壊されたの、他国にはバレないように秘密にしてたのに、、なんでバレたのかな……六連星しか知らないはずなのに、」


 それだ、

 俺はすぐわかった。


 《俺もな?》


 はいはい


「あのさ、もしかしてそれって黒い服の組織か?」

「え!ワイアットくん!よく分かったね、そうだよ、、そいつら酷いんだから……」

「なるほど、と言うことは、漏らしたのはクロードだな。」

「え?クロードが?」


 ロジャーも戸惑っている様子。

 だが、この部屋にいる奴らは全員分かった。

 分かりたくはなかったが、クロードは今は黒。か、

 クロードだけに、


 《つまんね、》

 

「なら、2人に来てもらおう。」


 カムイがそういう時、サンディが頷き直ぐに今すぐ来るように伝える。

 2人は状況がわからなかったが、何か関連していると思い、今から向かうアルゼリア魔道帝国で落ち合うことになった。

 そうして俺たちも直ぐに向かった。


 ――――――――――――――――――――――


 2日後


「まぁまぁ早く着いたな、」


 カムイがそう言いながら、車から降りる。


「あんたの運転荒すぎ!」 


 テリーが文句を言っているようだが、それに慌ててツキが反応する。


「カムイは、悪くないもん!」

「アンタはうるさい!」


 はいはい、子供の喧嘩ね。

 まぁ、一先ず俺たちはアルゼリア魔道帝国へと、着くことができた。

 メーリンとロジャーはまだ着いていないらしい。

 なので、それまで先に俺たちで、探索をすることになった。


「ここが!」


 そう言って辺りを見回す若い男。

 いかにも軽装。

 どうやら、冒険者らしくヒッチハイクをしており、そこで俺たちに会い六連星を知っていて興味本位で付いてきた。名前は、マルというらしい。

 別にいいけど、命の保証はしない。

 それで同意した。

 死んでも知らんし守れんぞ?と言ったらが、


「俺は冒険者なのでそんな簡単には死にません!

 大丈夫!」


 とのこと。

 大丈夫だろうか……


「じゃあ、取り敢えず見て回るか……」


 そうして、俺たちはこのアルゼリア魔道帝国を練り歩くことに。

 瓦礫が散乱しており、政治が不安定というかなにか戦争で負けてしまったようなそんな印象。


「家とか建物が滅茶苦茶崩れてる、」

「ご主人様!ここは足場が悪いです、私につかまって!」


 そんな風に、メイドが俺に手を差し伸べるとそこに割って入るかのように、アシュリーが間に入れる。


「おっと、こけそう……あら、ありがとう。セリーナちゃん!」


 そうして、俺に出されたセリーナの手はアシュリーが、触り俺に近づかないように動く。


「あ、はい、大丈夫ですかー」


 めっちゃ棒読み。

 絶対心配していない。


「スタンさん、あれ何してんすか?」

「知らんね、、」

 マルがスタンに聞くも、呆れたように知らんぷりしていた

 セリーナ・クロフォード。

 これは、俺のというか、ワイアットのメイドさんの名前だ。

 ブルース家は元々戦闘に特化している。

 そのため、このセリーナも、かなり強い。

 そんな風に話しながら進んでいると……


 《おい、何か来る。

 人間か?……》


 ワイアットが何かに反応したようだ。

 次にカムイ、そしてセリーナも反応した。

 慌てて後ろを振り返るが、その他の奴らはまだ気づいていない。

 おびただしい、何か普通の人とは違う雰囲気、恐怖感があるその魔力にワイアットの中にいる俺も、直ぐに察知できた。

 何か来る、、


「ん?どうしたんすか?3人とも、そんなに怖い顔して……」


 マルがそう言った途端、身体がぐちゃぐちゃになり臓器や血が飛び散る。

 横から何かに轢かれたようだった。


「は、、?」


 突然の出来事だった、マルは明らかに目の前で死亡した。

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