第拾玖話 作戦会議and驚き
「なるほどね。じゃあ、このメンバーで奪還?」
テリーがそう言ってカムイを見つめる。
「俺の顔になんか付いてるか?」
そう言ってカムイは、テリーをジロリと見つめる。
「あ!、いや?、別に?」
(いけない、いけない。少しイケメンだから油断した、、私にはクロードが居るのに……)
顔を赤らめつつ、テリーはすぐに視線をずらす。
「おそらく、、そいつらは、クロードの強さを狙ってるな、」
「ワイアットじゃないの?ワイアットの方が強いよ」
アシュリーがそういうと、カムイが首を横に振る。
「だめ。
コイツは、能力値が不明。暴走して味方にどう危害を加えるかわからないからだろう?」
なるほど、納得した。
《なんだ?》
ごめん、ごめん。
そうして、方針が決まる。
おそらく、クロードを奪ったその組織は、
黒暁教団という、組織。
わかった理由は、最近活発化している黒い服装の組織達、その組織名が、黒暁教団というらしく、それに今回の奴らが酷似していたからだ。
「なるほど、」
「分からないのか?なぜ奪ったのか、」
スタンがそう聞くと、サンディが口を開く。
「知らんけど、古代魔法を使ってたとか聞いたが?」
「古代魔法、、」
そうして、カムイは少し考えた後に机に地図を広げる。
「クロードは俺の後輩だから、今回は俺が手伝ってやる。そんで、地図を見ろ。」
そうして、指を刺したのはここから、20km程離れているもう国としての機能をしていない、昔に滅んだ国家アルゼリア魔道帝国。
1200年前に存在していた最古の国の一国である。
「ここは、なんで滅んだんだ?」
「昔魔法の研究が盛んに行われていたんだが、政治が悪化して滅んだとか、、まぁ、本当の事は知らないけどな」
そうして、地図を閉じる。
「そいつと今回、どういう関係なんだ?」
「まぁ、今回の事件、、この国の残存が行なっていて、クロードを利用して国を復刻しようとしているんじゃないか?」
「厄介極まりないな、なんでまだ残ってるんだ?」
「知らん!ボコせばわかる。どうせ、大した強さじゃないしな、」
「それもそっか!」
息巻いて大丈夫なのか?
という事で、俺たちは手がかりを探すためここから、その今は亡き、アルゼリア魔道帝国を目指す。
そこに手がかりがあればいいのだが、
「まぁ、それと今回がバッチリ関係していれば、
おそらく奴らの本拠地はそこで、クロードも現れる、、かもしれないよな!」
(おちゃらけてるな、)
《昔からだ》
なんで兵士やめたの?
《上と揉めた》
納得。
「私も行っていいんですか!?ご主人様!」
「ああ、いいぞ。」
「おお!メイドすごい!」
「お前はうるさい、」
「いてっ!」
そうして、方針が決まったその時、
サンディに魔法通話が入った。
「おい!」
そうして、女気混じった怒鳴り声。
「なんだ、ロジャー?こっちはな、色々と忙しいんだが?」
「サンディさん!聞いてください!」
「何?メーリンもいるのか、」
どうやら、六連星の残り2人のようで、焦っている声が聞こえる。
「他の奴らもいるから?」
「ああ、六連星の他の連中達もいるぞ。スピーカーにしてる。」
サンディが、耳をほじりながら適当に返事をしている。
あんま、俺関係ないけど、少し殴りたいな。このアホヅラ。
そう思っていると、
「ビビるなよ?」
「単刀直入に言うね!」
「ああ、どうぞ?どうせ、誰1人驚かんわ……」
「「せーの……私たちの!!国が!滅んだ!!」」
……………………………
「「「いや、はぁぁ!????!」」」
そうして、みんな今年2番目に驚いた。
六連星のメンバーが驚いた今年1番の出来事は、
ワイアットがアシュリーの誕生日に、柄でもないバラとカーネーションを持ってプレゼントしたこと。




