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第壱話 こいつと共存かよ、、

「逃げろ!!」

「奴は強いぞ!」

「キャー!助けて…」


 なんだ…今の声…声というか脳裏に景色が浮かび上がってくる。

 自分が見てきた記憶を思い出しているみたいに…



 その時、俺は目を覚ました。

 ん?俺は死んだはず、推しを庇い…あれ?どうなっているんだ?

 え、どこ。ここ?

 辺りは家とか建物などの瓦礫などが散乱している

 過去に建っていたのかもしれないが、辺りは更地、

 壊されたみたいに…

 空も薄暗くなにやら、不気味だ。

 何処なんだここは?

 しかも、この服装、軍服?

 なにやら、赤と黒、金で構成されている少し

 かっちょいい軍服を着ている。

 なんだ?これ?

 そう思っているとなにやら、声が聞こえる


 《聞こえるか?》


 なんだ?この声、幻聴かなんかかな。

 というか、まじでここどこだ?


 《お前、俺の身体で何している?》

(俺の身体?え、これ俺の身体じゃないの?)


 よくよく思えば確かに、俺は視力がかなり悪い、

 だが、ここに来てから視界がハッキリとしている。

 しかも少し身長が小さい…

 鏡がないから全然気づかなかった。

 しかも、銃が足元に落ちている。物騒だな。

 で、この声誰なんだ?


 《人の身体だというのに…それに、それはシングルショット・ライフルだ。》

(シングルショット?)

 《ああ、待て、敵が近くにいる。あそこの、瓦礫に隠れろ》

 俺はそう誘導され、瓦礫の陰に隠れた。

 《足音からして2人だ。》

(二人って、)

「おい、あの死神野郎まだ生きてやがったのか…

 いねぇぞ。探せ!」

「分かった。」


 ほんとに2人来やがった。


(お前すごいな。)

 《俺の身体なのになんでお前がわかんねえんだよ。耳いいはずだぞ。

 まぁ丁度いい、アイツらはさっき物陰から疲れ果てた俺を撃ってきた奴らだ。一先ずそれでアイツらを打ち抜け》


 え、人殺すの?嫌なんだけど、

 状況もよくわかんないし…


 《後で俺が現状分かることを説明してやるから、さっさとしろ。》


 ……仕方なく俺はシングルショット・ライフル?という奴を構え狙いを定めた。


(にしても、これどうやって使うんだよ)

 《狙って引き金を引く。簡単だろ?》


 いや、分かんねえよ。


 《ったく、》


 うわ!勝手に手が動いた。


 《俺が手だけ動かしてるんだよ。ほらさっさと撃て》


 そこまで、するならお前が撃てよ…そう思う俺

 だが、俺が引き金を引こうとした時、それはできなかった。

 前世のことがフラッシュバックしたのだ。

 俺の前世での死因は、銀行強盗の犯人に胸を銃で撃ちぬかれた。

 俺は撃てない。

 怖い。急にそんな感情が襲ってきた。


 《なんだ、お前一回死んで、その死因が銃殺かよ、面白い奴だな。》

(面白がるな…でも、やっぱり撃てない。

 逃げよう。殺す以外の選択肢はまだあるはずだ。)

 

 俺がそう提案するもそいつは受け入れてくれなかった。


 《ダメだ。》


 そう返事した時、また腕が勝手に動き…

 銃声が響いた。


(何やってんだ…お前、)

 《勘違いしてるようだから、言っておくがここは

 戦場、そしてこれは俺の身体だ。

 俺のルールに従ってもらうぞ。

 まず、一旦本拠地にもどる。今は俺の国は戦争中で俺は暫く駆り出されているだけだ。

 今日はもう働いた。だから一旦戦場を離脱する》


 そう言われ、俺はこいつが言う本拠地に戻った。

 本拠地に着いてみると、少し大きなテントが何個か建っているだけ。

 そこにはいろんな人達がいた。

 戦争中なので怪我人もやはり、多数いる。


 《ここが、俺のテントだ。入れ》

(で、どういう事か説明してもらえるか?)

 《いいだろう。まず、俺は先の戦闘中俺としたことが撃たれて死んでしまった。

 いろんな奴と戦って疲れ果て隙をつかれてな。

 そこで、俺の魂が抜ける前にお前が、どっかの世界で死に、俺の身体に魂が入ってしまった。

 多分そういうことだ。》


 なるほど、最悪だということは分かった。

 て言うことはこの世界にミカちゃん居ないのかよ。

 残念。


(となると、この身体には2人の魂が共存しているって事か?)

 《ああ、そうなるな。原理は分からんがそんなとこだろ。おそらく、俺はこの身体から一度追い出されかけただから、今の身体の主導権はお前だ。

 なにか、きっかけがあれば一時的に俺に戻るかもしれないが…》


 なるほど、こいつ頭いいな。

 考察が早いというか、適応能力が高いというか。


(だけど、さっき少し腕、勝手にいじれたろ?

 あれは?)

 《多分ほんの少ししか出来ない。それに1回使ったら少し間を開けないと使えないし、腕か足かどっちかしか使えない。それに、俺の身体だからお前は俺の記憶も多少見れる。とにかく、俺は奇跡的に生きている。

 皆んなの前ではお前は俺になりきってくれ。》

(は?そんなのできるわけないだろ。)


 そんな時、ある人が俺のテントに入って話しかけてきた。


「おい!ワイアットお前,今日何人殺った?」


 おいおい、待てこの人女か?ていうか、顔ミカちゃんにそっくりじゃあないか!!

 目の色は赤で少し違うが、似ているぞ。

 かわいい!!

 ていうか、俺ワイアットって言うのか。


「おい、どうしたんだ?早く教えろ!」


 やべ、全然性格違う,とりあえず、


(お前、今日何人殺したの!)

 《ん?今日はちと少ない…1…2…3…96人ぐらいか…》

(やりすぎじゃボケ。)

「あ〜96人ぐらいかな。」

「うわ〜まじか、負けた。うち、92人…」


 割と接戦してるじゃねえか。


「あ、そうだ、もう飯出来たって早く来いみんな待ってるぞ。」

「ああ、すぐ行く。」


 危ねえー。バレるとこだったぜ。


 《話し方は、少しぎこちないがやるじゃないか。

 それより、まさかあいつに恋したのか?》


 俺を嘲笑うかのように言うワイアット。

 あ〜あ、うざい!!


 こうして、俺たちのある意味の共同生活がスタートしたのだった…






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