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北方の地5

フェリクスは翌日から我が物顔で屋敷内をうろつき始めた。

食事に文句をつけ、廊下の花瓶が気に入らないから取り換えろと侍女に命令する。

昨夜泊まった客間から自分の部屋を主寝室にしろと言い、主人を失い静かに閉め切られていた部屋を開け放った。

侍女や侍従もそっとリリィを伺ったが、リリィは黙って頷き返すだけだった。

リリィはただフェリクスの言いなりになっていたわけではない。

気にかけてくれているミザール公爵に事情を説明する手紙を書き、密かに送る手はずを整えていた。

リリィとロバートにとって計算外だったのは、フェリクスが悪知恵だけは働いたことだった。

リリィがミザール公爵に手紙を書いたことを嗅ぎ付け、手紙をすり替えたのである。

フェリクスが子爵家を継ぎ、リリィがフェリクスとの再婚に同意したと。


ミザール公爵は、ルイスに弟がいることは知っていても、当のフェリクスとは面識がなかったので、二人が認めるのであればそれなりの人物であろうと判断して、祝いの品を贈った。

リリィは、ミザール公爵からフェリクスの子爵継承と結婚を祝う品が届いて、ミザール公爵がフェリクスをカステリ家の後継者として認めたのだと考えた。


フェリクスが手紙をすり替えなければ。

公爵とリリィのすれ違いが無ければ。

リリィが、フェリクスによって手紙を止められていることに気が付いていたら。

全ては過去の出来事である。

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