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進み始めた時間(1)

朝食を済ませ、朝のお茶を飲み終えたヴィクトリアは、メアリーや他の侍女を連れてシャーロットの部屋を訪れた。

「シャーロットはまだ眠っているのかしら?」

「はい、お嬢様」

静かに部屋に入ると、規則正しい寝息が微かに聞こえてくる。

「起こすのもかわいそうになってしまうけれど、お食事と薬があるから、起きてもらわなくてはね」

数回揺すられて目を覚ましたシャーロットは、ヴィクトリアの顔を見るや否や跳ね起きた。

「よく眠れたかしら」

シャーロットはさっと顔を青ざめさせて寝台から飛び降りて床に頭をこすりつけた。

「もうしわけありません、もうしわけありません」

窓を開けていた侍女まで驚いて振り返った。

ヴィクトリアは一度引き結んだ唇をまた笑みの形に変えて言った。

「では、そうね。寝過ごした罰として、今日はメアリーの言うことを聞くのよ」

上目遣いにヴィクトリアの顔色を窺ったシャーロットは、メアリーの前に神妙な顔で立った。

夜着の裾を両手で握りしめながら、早い呼吸を抑えようとしている。

「どうか、よろしくお願いします」

喉の奥に引っかかった声で俯いたシャーロットは、メアリーも苦し気に胸を上下させたことを知らない。

「それでは、まずはお着換えをして頂きます」

どうやらとんでもない環境で育ったらしいと察した侍女たちも、顔を見合わせてはシャーロットを見て、また顔を見合わせ、胸を押さえる者までいた。

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