表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
25/39

公爵のため息4

門の向こう、扉の前に小さな人影が動いているのを認めて、アルバートは声を上げた。

「おおい、君」

小さな体に見合わない大きな道具を持って、もたもたと玄関から門に続く石畳の上の雪かきをしている子供は、離れた公爵からも異様な薄着であることが伺える。

中途半端な長さでぼさぼさの髪の毛で性別ははっきりと見極められない。

この雪だというのに袖は肘下までしかなく、手首はほとんど骨ばかりの細さだ。

アルバートの声も聞こえていないようで、下を向いたまま雪かきを続けている。

「君、すまないが誰か――」

公爵は手ずから鉄の門を押し開け、取次ぎを頼もうともう一度呼びかけた。

しかし子供は、自分の足に躓いたのか、ふらりと雪の上に倒れ、そのまま動かなくなった。

「君!」

駆け寄り、子供を起こした公爵は、硬く目を閉じた子供の体の冷たさにぞっとした。

いったいこの薄着でどれほど長くこの雪の中、外に出ていたのか。

そもそも、子供の体からして骨と皮ばかりのやせ細り具合だ。

貧民や奴隷であればそうしたこともあろうが、セレスシャル王国では奴隷を禁止している。

なによりも。

「君は、まさか……」

アルバートは急いで着ていた外套を脱ぎ、子供を包んだ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ