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公爵のため息1

予想よりも早く振り出した雪に、ミザール公爵家当主アルバート・ウィンフリッド・ミザールは馬車の中で疲れまじりのため息をついた。

各地の領地を検分する視察の旅もすでに一か月を越えた。

国内に何か所も点在する広大なミザール公爵家の直轄領のこと全てを公爵一人で管理することは難しい。

家令や信任した一門の者に任せていることがほとんどだが、それもあまりに放任にしているととんでもない暴走を引き起こす場合もある。

そのため、基本は各地や各家からの報告に目を通すのみで済ませていても、数年に一度は各地を訪れ、状況の確認をすることにしていた。

王国の重鎮として王に仕える仕事もあるため、そう長くは空けられない。

毎年それほど忙しくない時期を選んで、数か所ずつを順に検めている。

数年ごとの本家当主の訪問をどこの家でも歓待してくれるが、公爵は静養に行っているのではない。

道中の田畑の様子や農民の表情に気を配り、大声では言えない手段も利用しながら、各家に不正がないかを調べる。

かといって人前で早々疲れている姿を見せるわけにもいかないので、馬車の中でくらいしか気が抜けないのであった。

なにより、今向かっているカステリ領のことを考えると気が重くなる一方だった。

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