緋月
物語のあるリボン作家『いろいと』です
私の作るリボンには、1つずつ名前と物語があります
手にとって下さった方が、楽しく笑顔で物語の続きを作っていってもらえるような、わくわくするリボンを作っています
関西を中心に、百貨店や各地マルシェイベントへ出店しております
小説は毎朝6時に投稿いたします
ぜひ、ご覧下さい♡
Instagramで、リボンの紹介や出店情報を載せておりますので、ご覧下さい
hhtps://www.instagram.com/iroit0
浴衣の支度も終わり自分の部屋へと戻ってきた
昔ながらの長屋のような街並みは
今日のお祭りをより引き立てる
2階の窓辺から羨ましそうに行き交う人を
じっと私は眺め、独り言を言って気持ちを落ち着かせていた
『浴衣なんて着て張り切ってるのバレバレかな
変じゃないかな
あー!ちゃんと話出来るかな?!!』
同じ学校の先輩とやっと遊ぶ約束が出来た
剣道部の主将を務める先輩は県大会も近く、毎日部活で忙しい
でも夏祭りにどうしても行きたくて思い切って誘ってみたのだが・・・
『憧れの先輩とのデー・・・デート!?デート?デートよね?
はぁ・・・今頃、先輩はどんな気持ちでいるのかな・・・』
私は、なんて思い切った事をしてしまったのだろう
浴衣を着て並んで歩くカップルを見るとため息が止まらない
『あの子たちは、どんな話をしているのだろう?
夏祭りをどんな風に楽しむのだろう?
もうカップルなのかな?
どっちが告白したのだろう?』
飛び交う思考は、まだまだ止まらない
『付き合ってください!!
ん-・・・違うなぁ
ずっと好きでした!!お付き合いしてもらえませんか?
これもなぁ・・・
大好き!!
子どもっぽい?』
自分で言っておいてクスっと笑ってしまった
よしっ!と気合を入れて
掌を握り締めガッツポーズをしながら重い腰をあげた
『花火大会の後に言う!!
大丈夫!!
ちゃんと言える!!
頑張れ私!!』
そう言って、窓を閉めた
姿見で最終チェックをして、にっこり笑う
いつもと違う装いなので静かに階段を降りる
『いってらっしゃい』
玄関で、お母さんが笑顔で送り出してくれる
『いってきまぁ~す』
今宵の大輪の花はどんな色で咲くのだろう
最後まで読んで下さり、ありがとうございます
色々なお話を書いておりますので、どうぞごゆっくりとしていってもらえると嬉しいです
また明日、6時にお会いしましょう♪