間章 全てを奪わねば気が済まない
しばし投稿が止まってしまい誠に申し訳御座いませんでした。個人的な事情で3月末から4月頭の間がかなり忙しかったため、更新できず...(・ัω・ั)
これからも応援していただけると幸いです。
俺はいつだって『褒められる側』だった。生まれたときから両親には溺愛されてきたし、物心つく頃には周りの大人は俺を『できる子』だと褒めた。幼稚園の先生からは誰よりも足が速いと褒められ、作品も組で一番上手だと讃えられた。小学生になっても、テストで常にトップを争いながら体育の授業では大活躍を見せる俺を、担任はおろか他のクラス担任、果ては校長までも褒めた。
『素晴らしい!!』『クラスの1番だ!!』『いいや学年1だ!!』『うちの学校の誇りだよ!』
小学校高学年に上がる頃には、周りの大人だけじゃなく、女共も俺に群がるようになった。
『すごいよ!!』『カッコいい!!』『なんでもできちゃうんだね!!』『憧れるなぁ....!』
告白されるのもザラにあった。でも、俺には既に狙っている女が居た。
『また学年一位だって。』『ヤバくない?』『あの子なんかロボットみたいできらーい。』『無愛想だしねw』
伊藤絵美。学業面で俺から偶にトップを奪う女。周りからは『鉄仮面女』『氷女』『ロボット女』などと敬遠されているが、容姿はそこらの女子より頭一つ以上抜けてるし、女子故に俺ほど身体能力に優れている訳では無いが、そこそこできる男と同じくらいには運動神経が良い。女版の俺のような存在。
───運命だ。
そう思った。俺に値する女だと、初めて存在を知った時に直感でそう思った。だから狙おうと思った。しかし、あの女の側にはアイツが居た。
『大丈夫か、絵美。』
『うん、大丈夫だよ。心配してくれてありがと。淳二。』
木崎淳二。全てにおいて俺の下でありながら、世話焼きで雑務を率先してやることで周りから都合のいい奴扱いを受けながらなんとか人気を保っているようなダサい男。
『─本当に?ダメそうだったらいつでも言えよ。俺はいつでも絵美の味方だから。』
『淳二......じゃあ、お願い。手、繋がせて?』
『なんだよ、そんなことか。ほれ。』
『えへへ、ありがと。』
なんだ。何故だ。そんなダサい男に何故そんな笑顔を振りまく。お前の運命の相手は俺のはずだ。初めて感じた激しい謎の感情に、頭がぐちゃぐちゃになる。
嫉妬。全てにおいて上回っているはずの俺が唯一伊藤絵美という点において劣っていると見せつけられたことに対する劣等感。
「────いつか、必ずその場所を奪ってやる、木崎。」
俺の人生における汚点を雪ぐには、単に木崎から伊藤絵美を奪うだけでは足りない。徹底的に貶め、辱め、信頼を地に落とし、全て失わせる。俺に名状し難い恥をかかせたあの男だけは許しはしない。
俺は───三峯宗次郎は、誰よりも優れているのだから。
誰やねんコイツ?となった方。ざまぁ系小説で皆様大好き後々落ちぶれる系性悪キャラでございます<( ̄︶ ̄)>
ざまぁがはよ見たいんじゃ!という方、申し訳ありません。過去編の構想に少し捻りが入っているのでまだお待ち下さい......
シリアス供給過多やて....って人はこちらの並行して進める予定の恋愛小説を是非読んでみては如何でしょうか?
⬇『再会 ~俺、もう生徒じゃありません~』
https://ncode.syosetu.com/n7443id/




