五話 逆転の策は。
キャラがブレてないか不安で不安で.....
ヒューマンドラマジャンルのランキングに入りました!!ヤッタネ!!(≧▽≦)
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「聞かせてくれ、その話。」
冤罪を晴らして、少しでも早く少年院を出る。2年間を無為にしないためにも、出来ることならなんだってやる。
「良いのか?言っとくが確実に成功する保証は無ぇし、仮に成功したとして、ネンショーから出た後に普通の生活に戻れるかも分からないぜ?」
そう言う司の顔は、先程の軽薄な雰囲気とは打って変わって真剣な顔つきをしている。元の生活に戻れない、という点に微かな疑問を覚える。
「....どういうことだ?冤罪を晴らす為になにかしらの代償があるってことか?」
「察しが良いじゃねぇか。つか当たり前だろ?既に加害者として確定しちまってる以上、マトモな手段で冤罪を証明できる訳が無い。その上肝心のお前は此処から出られない。普通なら無理ゲーだ。」
「それはそう、だな....」
確かにもう判決が出てしまっている以上、警察が再捜査なんてする訳が無い。控訴も親に捨てられた俺には出来なかった以上、頼れる存在が少年院から出られない今の俺には無い。
「....構わない。」
「それ、本気で言ってんのか?まだ代償の詳しい内容、話してすらいねぇぞ?」
「聞いたところで話すつもりは無いだろ。さっきからずっと俺を試すような目をしているくせに。」
「....バレてたか。案外目敏いな、お前。」
「人の顔はちゃんと見て話をする主義なんでね。」
「その調子だと、色々見抜いてんのか?」
「いや、考察しようにも材料が今のお前の抽象的な話と表情だけだからな。少なくとも代償がまだ確定してないってことくらいしか予想できない。」
「....それが見抜けただけでも充分だ。それじゃあ詳しい話に移る訳だが....覚悟は出来てるか?」
間違いなくこの話を聞けば俺はもう後には引けなくなる、そう直感が告げている。なにより、俺を見る司の顔がそれを語らずとも表している。
「俺は───」
元の生活に戻ることはない。今まで過ごしてきたあの心地良い空間に戻る保証はどこにもない。
『アンタなんかうちの子じゃないわ!』
『お兄ちゃんさいってー。ホント、こんなのがお兄ちゃんだったとかマジ無理なんだけど。』
『淳二、弟としての縁は切らせてもらうわね。金輪際私の弟を名乗らないでくれる?』
『淳二の幼馴染なんて、もう身震いするわ。金輪際私に関わらないで!』
───それがどうした。
俺が心地良いと思っていたあの場所は、薄っぺらい信頼のフリをしたなにかに虚飾された紛い物に過ぎない。俺が居るべき場所はあそこじゃない。
『レイプ魔!さっさと死ね!!』
『被った猫の中はゴミだったね。何で生きてんの?』
『害悪!この世から消えろ!!』
『死ね!』『死ね!』『死ね!』『死ね!』『死ね!』『死ね!』『死ね!』『死ね!』『死ね!』『死ね!』『死ね!』『死ね!』『死ね!』『死ね!』『死ね!』『死ね!』『死ね!』『死ね!』『死ね!』『死ね!』『死ね!』『死ね!』『死ね!』『死ね!』『死ね!』『死ね!』『死ね!』
仮に冤罪が晴れて、あの場所に戻って、一体何になる?表面だけを取り繕い、心の奥底では誰も俺のことは信じることはない。そんな奴らに囲まれて、俺は何も知らなかったあの頃のように生きていけるのか?
「....覚悟、とっくに出来てる。」
答えは否。無理だ。今までの全ては、俺の預かり知らぬところでとっくに腐っていた。いや、俺が気付いていなかっただけで元から薄っぺらい虚飾で繕われた偽物だったのかもしれない。そんな偽物に戻るくらいなら、その代償とやらの為に生き続けてやる。
「話を聞かせろ司。今までの俺には戻るつもりもない。代償ならなんだって払ってやる。今までの全てを捨てて、俺は1からやり直す。」
「.....そこまでハラ決まってんのかよ。お前、引くほどコッチ側の素質あるな。」
そう言いながら苦笑いする司が背中を叩いてくる。
「良いぜ、一か八かの冤罪払拭、賭けのテーブルに招待してやるよ、淳二。」
「...掛け金は?」
「さぁ?ディーラーは俺じゃねぇ。ま、俺なりのアドバイスをするとしたら、結果が分かるまで、常に全力で自分を高値で売れ。価値を示して、ディーラーに自分を有用な存在だとアピールし続けろ。」
「どうやって?健康状態でもアピールすればいいのか?」
「馬鹿言え。殺して売るなんざウチの組は──あっ。」
「───尻尾、掴んだり。やっぱりな。ヤクザ絡みの計画か。司って意外と間抜けだな。」
「ちっ!自然な感じで聞き出しやがって。食えねぇ野郎だ。」
「安心しろ。ヤクザが絡んでるからってやっぱり辞めますなんて言うつもりは無い。」
「たりめぇだ!言ってたらボコボコにして半殺しにしてでも引き止めるわ!」
「───要は、ヤクザに自分を認めさせろ、ってことだろ。信用を勝ち取ってお願いを聞いてもらう、ってとこか。」
「あ~そうだよ!!ったく。諸々見るつもりだったのに全部察しやがって。お前、相当キレるだろ。」
「推理小説とかは事件が起こったタイミングで予想した犯人が必ず合ってる。」
「.....それ、読んでて楽しいのか?白けない?」
ち、ちょっと台詞がクサかったかなぁ.....テレテレ
書き溜めできるくらい筆が速ければいいのに....皆!オラに筆力(という名の評価や感想、レビュー)を分けてくれ〜!!
なるべく毎日!!