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小さな龍のレクイエム(改稿版)  作者: セレシア(旧 助谷 遼)
アフターシナリオ 〜神樹編〜
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175話 母達<ローズ視点 オリディア視点>

アフターシナリオ 〜神樹編〜最終話です!

また、補足情報まとめも同時投稿していますので良ければそちらも読んでみてください!

<ローズ視点>


 カトレアちゃんと仲良く旅を再開したサクラを見送る。


「とんだ馬鹿娘も親になると丸くなるみたいね」

「元から丸かったわよ〜」


 お母さまは人のことをなんだと思っているのかしら。女王として縛られるのが嫌で国を出ていっただけじゃない。


 いつかはくっ付くと思っていた二人が付き合い始めて、子の成長は早いものだと……サクラの場合は情緒以外はすでに育っていたけど……実感できた。


 恥ずかしそうにしながらも嬉しそうに報告してくれたのは私も嬉しくなった。正直指輪のことが無ければ付き合っても隠されていたんじゃないかなって思っている。母の勘だけどね。


 サクラは女の子同士で付き合うことをどう思うか不安そうに聞いてきたけど、エルフは元々子供が出来にくいこともあり性別なんて関係なく付き合ったりするから特になんとも思わない。というか私の場合相手があの男で嫌な目にもあったから信頼できるカトレアちゃんが相手なのはむしろ大賛成だったりする。

 何事も幸せが一番なのよ。


 サクラの一言で孫馬鹿のお母さまが国の体制を変えてはや半年、サクラがいたおかげで道無き道を進むのではなく一歩一歩確実に国として進むことができた。私は後十年くらい見守ったら家に帰りましょう。


 それにしてもサクラはまた面倒ごとに巻き込まれたみたいね。ライアス君に呼ばれて獣人国に行くつもりが海底王国に行くことになったり、この後は天空島やドワーフの国にまで足を運ぶなんて…………楽しそうよね! 羨ましいわ!


「半年しか居ないなんて誤算だったわね。数百年は孫の顔を見ていられると思っていたのに」

「そんなに時間の猶予がある訳無いでしょう〜? むしろ半年も残ってくれたことに感謝しなくちゃダメよ〜」


 本当は半年前に出発しようとしていたサクラが残ってくれたのもサクラの優しさだ。本来は大人が子供におんぶにだっこしていたらダメなのよ。優しさにつけ込んで甘えるなんて老害だわ。


「誰が老害だって?」

「口には出してないわよ〜?」


 年の功か勘が良くて心を読んでくるお母さまは厄介ね。心の中でくらい文句を言っても良いじゃない。……体型についてだけはダメよ? 乙女の自尊心を傷付けることは心の中でも許さないわ。


「で、次の夫の予定は?」

「ないわ?」


 この国から出ることなく過ごしていたら考えていたかもしれないけど、今の私にそんな選択肢はないわ。サクラにカトレアちゃんの二人に増えた娘に孫のような存在となったコハルちゃんと愛でる対象は多いからね!


 ―――

<オリディア視点>


「二人とも可愛かったわ!」


 セレスちゃんを創った場所を神界から切り離した私はさっきまで会っていた二人と一匹を思い出して顔が緩む。


 サクラちゃんには怒られちゃったけどカトレアちゃんに会えたから大満足! 気になっていた事も確認できたしちょっかい出して正解だったわ。さすが私ね!


「それにしてもコハルちゃんね……」


 アビスの核から大罪の欠片の気配……残りカスのようなものだったけど……を吸収して産まれてきた謎の子狐。最終的には悪い感覚がしなかったから見逃したけど大丈夫かしら。

 元々九尾の妖狐が居たのは知っていたけど正直なところ私もざっくりとしか把握していない存在だったから過剰に心配しすぎたのかもね。


 まあ、何かあってもサクラちゃんなら大丈夫でしょう!


 うーん、無性にセレスちゃんと会いたくなってきたわ。神霊(子供)達の中で最も悲惨な運命を辿らせてしまったからか他の子よりも目にかけちゃうのよね。今も一人で奮闘しているし。横の男は目に入んないわ! セレスちゃんに恋愛はまだ早いんだから!


 ―――

<アービシア視点>


「どういうことだ?」


 順調だったはずの欠片集めに不穏な空気が出てきた。サクラが妨害してきたのか?

 最近は協力者の接触もないし少し暇だ。既に世界が何度も巻き戻りつつも待ち続けたから今更少し延びるのは気にしないけど一からやり直しになることだけは止めないと……。


「久しぶりだな」


 考えていた傍から協力者がやって来た。コイツも良くやるよ。


「諦めてないの?」

「当たり前だ」


 わざわざそんなことを聞きに来るためだけに顔を出すとは思えないが……。


母上が来たよ(・・・・・・)?」

「!?」


 何をしに? というか普通は来れないはずでは?


 協力者は驚く俺をよそにグチグチと文句を垂れ流し続ける。おい、何をしに来たのか説明しろ。


 なになに? 俺の娘に会いに来た? そうか、俺の邪魔をしにきたのか。忌々しいやつだ。


「……由々しき事態なんだよ!」


 やっと愚痴が終わった。長いわ! マザコンか! 流石にオリジンも長期間は居れなくて帰ったか。


「対策はできているのか?」

「必要ないよ?」


 裏切る気か? いや、本気で必要ないと思っているみたいだな。だが俺も馬鹿じゃない。俺も何か対策をたてておこう。何、まだ俺の手足は残っている。コマの補充も出来そうだしまだまだ大丈夫だろう。後はコイツのことも切るタイミングを考えないとな。

次話は明日の17時投稿予定です


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