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逃亡中の元貴族  作者: お猫様の従者
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プロローグ

 ド素人の初投稿。正直投稿を諦めそうでした。私の妄想のメモ書きだと思って下さい。


 今僕は家に急ぎ帰っている。ここはいつも薄暗く、今が昼か夜か分からない地底都市『第1,741区画』である。急いでいる理由はもうじき消灯、現代の"夜"になるからだ。

「毎度突然で困るなぁ」

僕はため息混じりに呟いた。何せ消灯の報せはその2時間前に中央電子掲示板に流れる。今も街頭のあちらこちらに《当区画は電力供給特別法により1時間後に消灯されます。》と流れている。

 もしも消灯後町を歩いていると二重で危険だ。ひとつは犯罪。まあこれは簡単で町中の給電が止まるため悪いことをしようとする人からすれば都合が良い。ふたつはその悪人を捕らえるためかなり荒っぽい治安維持隊が出る。どちらかと言うとふたつめがヤバい。維持隊は犯罪者に対して、その場での死かその後の死かを選択させる。記憶にあるかぎり犯人が逮捕されたことは無いが、露見した事件のほとんどが解決済みになっている。冤罪を含めて。


 地下都市の地下鉄、などと何とも言い難い交通機関を使い自宅まで後30分の駅に降りた。やっと自動改札にはなれてきたが車の運転はまだ慣れない。周りに人が居なくなってから今となっては珍しい658ccの内燃機関を作動させる。

 ドンドンと窓ガラスを叩く音。僕は治安維持隊じゃないかと焦りながら残り少なくなった燃料計から視線をはずし窓を開ける。すると有無を言わさず窓から腕が入りロックを外しドアが開かれる。大柄の男だ。引きずり降りされてすぐ一発蹴られ。

「おい!これは環境を破壊する道具だろ。石油を燃やして有害物質を撒き散らすと聞いた。こんな物使うんじゃねえ!」

「い、いえ、これはきちんと許可を取ったバイオ…」

「うるせえ!だいたいお前は町外れから出て行けと言われただろ。それをいつまでも…」

(なるほど。車の件はどうでも良くて、ただ嫌がらせをしにきた自治会か。)半年ほど前に越してきた僕を追い出そうとしている。心当たりはあるにはあるがどうしようもない。

「…おい!聞いてんのか?わかったらさっさと出てけ!」

それだけ言うと男は大股で立ち去る。早く帰ろう。


 僕の家は地下都市の外周の外れ、すぐそこに都市の壁が見えるところにあり隣は下水処理施設だ。ただ、下水処理施設と言っても地下空間で異臭を撒き散らすわけにもいかず完全密閉型で匂いはほぼない。排出されているのは約25度の水で、土地が常にぬかるんでいることが唯一の欠点と言ってもいいほど快適。その上地価が安い。誰も下水処理施設の隣は嫌みたいだ。

 家の正面は舗装してあり車でも問題ない。ガレージに車を入れてガレージの鋼鉄製の扉をしっかりと施錠をする。

「只今より消灯いたします。」と外から聞こえると同時に都市全体が暗くなる。僕は家の電源をバッテリーに切り替えて居間に上がり、古いパソコンを起動させる。消灯中はいつもこれを使って中央管理データバンクにアクセスをして勉強をしている。しばらくして起動すると早速閲覧開始だ。

「このデータは昔の年表だな。近代か。」

人手不足ゆえタイトル一覧には乱数が並んでおり、タイトルは一部の本のみ表示されている。僕はその乱数の中から適当に選び読む。読み終われば内容とタイトルをデータベースに書き込む。すると勝手にバイト代が入る仕組みで、勉強とバイトが両立できる素晴らしい副業だ。


 〈近代史・歴史A〉付録年表

 2100年 大国どうしの争いに核ミサイルが使われ人類の半数が消滅する。旧本国にはA国とC国のミサイルが集まり総力を上げて迎撃するも停戦間近に参戦したR国の飽和攻撃の末に壊滅的打撃を受ける。

 2101年 奇跡的に被爆を逃れた一般人と前もって避難していた各界の要人は旧長野県松代をはじめ各地に地下都市を建設。新政府と主要官庁を皆神山第一地下都市に移す。健康な土地がなくなった我が国は食糧問題解決のためA国と交渉の末、全技術、労働力と引き換えに年間300万tの提供を約束する条約を締結。更にA国からはパスポート無し入国、軍隊の駐留等の条件が加えられた。

2102年 餓死者が急増する中、新政府主導のもと新身分制度の・・・歴史の資料とはいえ混乱の中作られた為だろうか、だいぶ大雑把にかかれていた。


「...はっ!」

資料を読み終わり、入力も終わった頃に寝てしまっていたようだ。

「二時間ぐらいしかたってないのに。疲れてるな。」

今日は終わりにして休もうとパソコンをシャットダウンしお風呂を沸かす。その間に配給品の栄養食品と期限切れのインスタント麺で食事をするのだった。


 たっぷり6時間ほど寝たところ、消灯は解除され外が明るくなっている。また栄養食品と期限切れのインスタント麺、少し贅沢をして生の工場レタスを食べた。その後車、地下鉄、徒歩で仕事場に行く。

〈修理、改造お任せください。アキモーター〉そう書かれた看板の下シャッターを上げる。今日も1日店番が始まるのである。業務内容は基本なんでも屋で、子供の玩具の修理からミサイルや戦車の組立まで何でもする。この間は水鉄砲をレールガン式デリンジャーに魔改造した。何に使うんでしょうかね。

 店に少し太った男が入ってきた。

「今日は仕事あるか?」

こいつはうちの外注先で主にPCやIT関係の仕事をたのんでいるスズキだ。腕はいいが気分屋で一見さんは基本断る。ハッキングでの情報収集も得意だ。

「何にも無い。何かあったら連絡するよ。」

そう僕が言うとスズキは帰っていった。


 今日は消灯発令されずのんびり帰れる。あの後、電気浮上バイクの飛び込み修理とエンジン式発電機の修理依頼があって出先から直接帰路についている。昨日と同じように最寄り駅の駐車場から車を出そうとしたときである。

 コンコンと窓ガラスを叩く音。今度はすぐに開けない。外を見ると意外なことに女性が立っており歳は10代後半から20代前半。窓を開けると一段と意外なことに、

「やっと見つけました。坊ちゃま…いえ、御主人様。」

という言葉が少し甘い香りとともに車内に入ってくるのであった。


御精読ありがとうございます。妄想がはかどり次第投稿出来ればと思います。

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