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ー大図書館ー

お久しぶりでございます。

前回あとがきで説明回とか言いましたが、そこまでいきませんでした。

面目ないです。





運転手付きの高級車で移動すること約1時間。行き先もわからず、隣に座る巳嵜(騰蛇)くんを横目でちらりと盗み見るが、腕を組んで目を閉じたまま動かない。


これは思う存分眺めてもいいよってことなのでは―――?自分の都合のいいように解釈して綺麗なお顔をじっと見つめる。やっぱ睫毛なっが。毛穴なんてないんじゃないの?うらやまけしからん顔をしておる。美を凝縮したようなお顔がいらっしゃる。はぁ、眼福、眼福。


横の美しいお顔を眺めて時間をつぶしていたら車がようやく止まった。


「降りるぞ」

「あっ、はい」




「あの、巳嵜くん、ここは一体・・・?」


目の前には立派な鳥居が建っている。神社に連れてきて何をしたいんだろう?


「俺のことは連吾でいい。年近そうだしな」

「では、私のことも麻結莉と」

「じゃあ麻結莉、ここから少し歩くぞ」

「ここが目的地じゃないんですか?」

「ああ。ここは入り口だ」


神社が入り口?どういうことだろう?

連吾はスタスタと歩きそのまま本殿に入ってしまった。

えええ。本殿って入っていいの?まぁこれくらいでは驚かなくなってしまったが。


奥に進むと連吾が立ち止まりおもむろにしゃがみ、床に手をつけた。


≪開け≫


―――――ガガガガ


ほへー。床が開いて下へと続く階段が出てきた。


「出てこい、ヘビ」


あ、この感じどこかで見たような。


『呼んだー?』


かわいらしい声が聞こえたと思ったら、目の前に騰蛇の髪と同じ深紅色の鱗を持つヘビと目が合った。瞳は綺麗な金色。かわいい。


『あっ!晴明様だ!久しぶり~!トラが言ってた不思議な女の子って晴明様だったんだね~』

「私は榊麻結莉と申します。よろしくお願いします。ヘビさん」

「こいつは俺の相棒のヘビだ」

『晴明様は麻結莉様になったの~?わかんないけどわかった!よろしくね~』

「ヘビ、灯りを頼む」

『頼まれた~』


ぽっ、ぽっ、ぽっ


と暗くて先の見えなかった階段に灯りが次々とついていく。


「ヘビさんすごい!」


連吾の首辺りに巻き付いていたヘビさんが私の右腕に移動してきて


『えっへん!』


ドヤ顔を披露してくれた。超かわいいっ!こんなにかわいい生物がこの世に存在していたなんて!この出会いに感謝を!ハレルーヤ!!!

こんなことを考えていても私の顔は無表情である。無念。


「行くぞ」


前を歩く背中を見つめながら、しっかりと断るぞっ、と気合を入れなおして階段に足を踏み入れた。




――――――――――――――――――――





階段が終わって目の前には重厚な鉄製?の両開きの扉があった。扉には三角形が二つ重なったような―――たしか六芒星って言ったかな?―――ものが描かれていた。

――――私はこれを知っている。私の中の彼が、最後の最後に


「おい、入るぞ」


あっ何か今思い出しそうだったのに。まぁ平和な普通の日常をこれから送る私には関係ないか。何事も諦めは早い方がいいと思うのですよ。



扉から光が漏れてきて一瞬視界が真っ白になる。

徐々に目が慣れて見えてきたのは、・・・本棚?壁一面に本がところ狭しと並んでいる。

部屋に足を踏み入れた瞬間、


――――――――あっ図書館の香りだ~。


と思ったのは仕方あるまい。実際見た目はただの図書館である。


向かったのはさらに奥。本に挟まれた一本道を二人と一匹で進んでいく。


『僕は帰るよ~』


じゃ~ね~、と尾を器用に振ってヘビさんが消えてしまった。心細い。



「ようこそ大図書館へ」

「お待ちしておりました、榊麻結莉様」


前者は腰が砕けそうになるほどの男性のバリトンボイス。

後者は人柄の良さがにじみ出るような優しい女性の声。


「っぷぷ。あんたが澄ました顔してるとか・・・ぷぷっ」

百花(ももか)こそ「お待ちしておりました」ってメイドかよ。ガハハハッ」


どういう状況?コレ?


「いい加減にしてくださいよ。似たもの夫婦」


はぁ、と連吾がため息をつきながら二人のじゃれあいのような会話を止める。


「あら、ごめんなさいねぇ。堅苦しいのは私たちにはやっぱり無理だったわ~。私は十二天将の天后(てんこう)の力の継承者で、亥野本(いのもと)百花っていうのよろしくね。麻結莉様って堅苦しいから、麻結莉ちゃんって呼んでもいいかしら?」


早口がすごい。いま息してたのかな?ノンブレスで喋ってたよね?肺活量がすごい。


「だ、大丈夫です。よろしくお願いします。亥野本さん」

「あら~亥野本さんなんて他人行儀だわ。みんな百花姉さんって呼んでるからそう呼んでくれてもいいのよ?」

「百花姉さ、ん?」

「か~わいいわ!お持ち帰りしたいくらい!」

「お嬢ちゃんがびっくりしてんじゃねぇか。いつもの井戸端会議みたいなスピードで喋っても半分くらい聞き取れねぇよ。俺は十二天将の白虎(びゃっこ)の力の継承者で、申橋(さるはし)雅也(まさや)。呼び方はなんでも構わねえよ。さっきそこの生意気な小僧が言った通り俺たちは夫婦だ。よろしくな嬢ちゃん」

「井戸端会議じゃないわよ!女子の会話の通常のスピードよこれは!」

「こちらこそよろしくお願いします。雅也さん」


同じ十二天将でも連吾たちとは全然違う自己紹介だが、感じる懐かしさは変わらない。


「さて、話があっちこっち行っちゃったけど本題にそろそろ入りましょうか」


百花姉さんが、パン、と手を鳴らした。

















































・亥野本百花

天后てんこうの力の継承者。雅也の妻。通称百花姉さん。夫婦別姓。

・申橋雅也

白虎びゃっこの力の継承者。百花の夫。魅惑的なバリトンボイスの持ち主。

・ヘビ

騰蛇と同じ深紅色の鱗を持ったヘビ。騰蛇の相棒。


ヘビさんのドヤ顔のイメージは

(`・∀・´)エッヘン!!


次こそは説明回(`・∀・´)!

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