1〜5
修道女の生ハム
底面世界群プキムメルト第三層、メルミクラミで流行病いのように作られた生ハム
世界ごと狂わされた結果、使う火には国中の修道女と聖女を、使われる肉にはひとりの幼い、やはり修道女を
燃える体に叫びを添え、燻る体に嘆きを塗り込み生まれた生ハムは、狂うほどの美味となった
まあ、本当に狂うのだが、どのような種族だろうとも
異世界渡航船パルパラリフィグ
怒々咆哮事件時、世界名《高遠墓碑》から飛び立とうとした世界間移動船団
本来神話を持つ神々が使用し、世界名の終わりから逃げ出すため箱舟
だったのだが、既に彼らは死に絶えた
フォーチュンテラー(No3.Akane Kouin)により何度も、何度も、何度も、何度も、死に、壊し、死に、死んで、死んで、何度も、死んで死んで死んで死んで、全部を壊したあの機体にすべては地に落とされた
今ではそんなガラクタもcoNNngsgrm>lrlfiryar .:の保全する世界の風景、その一部である
生体金
世界名のシステムから産出される金属
死去時に火葬にした際、残った金を今まで引き継いだ先祖の金と合わせアクセサリーにして持ち歩く文化がある
これそのものが魔術触媒であり使い魔の座す間であり、ならば
なお、ここでいう使い魔とは零落した神である
あるコンピュータゲームを間に挟むことで、簡略化した手法で使役することに成功したが、代わりにゲームは金を収奪する機構とかした
まことにもって、人の欲は尽きぬものである
へそ用湯沸かし鉄器
世界名に住まう一体の竜が持つ鉄製薬缶
ある時、竜は思い付いた
同族の、死した後に残されたものではあるが、肉の、もはやかけら程度しか残らぬ骨を舐めしゃぶっている最中のことだ
それはまさに、まさに、天啓に等しく
後に竜曰く
「へそで茶を沸かすって頂上の奴ら言うけど、実際に沸かしたらうまいんじゃないの?」
あ、うん、そうかも
知らないけど
生体論
ルベル・グラフト著
書店で買える禁書
禁書とされたが、それにブチ切れたルベルが教会を生身で襲撃、撤回させた
ルベル死去後、よしと禁書指定を行うがルベルが蘇り教会を生身で襲撃、再度撤回させた
現在の版の序章としてこのような文がある
"出来るならばこの本は閉じ、別の知識を得るべきである
たしかに我らはルベルに敗れた、だがたしかにこの知識は悪なのだ"