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知性への脅し(常識的に考えて)

「後手こと解説だ。

 今回は『表現を工夫する』系統の手段について解説しよう。


■知性への脅し


例:「◯◯対策に協力しなければならないと言うのは、常識的に考えて明らかであ

   る」

例:「私の言っている事に賛同出来ないような愚かな人物はこの場にいないとは思

   いますが、〜(意見を述べる)」



 "知性への脅し"と言うのは、『常識的に考えて』『他人を思う気持ちがあるな

ら』など、意見に反論する人物がいかにも『非常識』『劣っている』『不道徳』といったマイナスの印象を与えるような表現を用いる事だ。もちろんこれら表現を用いたからといって、論理の正しさが補強される訳ではない。


■別パターン・解釈の押し付け


例:B「本当に優れた選手であれば、そんな戦術になど頼らない」



 このように、自分にとって都合の良い状態や解釈を『本当の』『真の』『純粋

な』『有能な』『信念を持った』『奥深い』……などの表現で表す事もあるな」


「これ、ネットでしばしば見掛ける表現だよな」


「そうだな。もちろん、これら表現を使ってはならないと言う訳じゃない。これら表現で『自分の解釈』を相手に押し付けようとする姿勢が問題なんだ。


■別パターン・難解、曖昧(あいまい)な表現の多用


例:「彼の主張は、偏ったスキーマが原因の認知的不協和(にんちてきふきょうわ)状態を解消するために構

   築されたものでしかない。そんな主張に従ってしまえば、未来に暗い影をも

   たらす事になってしまうだろう」



『スキーマ』『認知的不協和』と言った"一般には使われない難解な表現"や、『未来に暗い影』と言った"具体性に欠ける表現"を使用する事により、『何が言いたいのかをはっきりさせない』と言う手法も存在する。こうする事によって、相手は

『反論を行いづらくなる』んだ」


「……つまりこれ、何言ってんの?」

「お、それが正しい対処方法だぞ。まあ何を言っているのかは後で説明しよう。


※対処法※


 全く気にする必要はない。もしも反論した結果『非常識』『不道徳』などのレッテルを貼り付けられたとしても、それは"人格批判"に該当してむしろ相手にとってマイナスとなる。


 "解釈の押し付け"は、相手の解釈を"認めた"上で自分の主張したい事を言えば良いだけだ。重要なのは"本当の"、"真の"、と言った『表現』ではなく、『具体的な中身』なんだ。


例:B「本当に優れた選手であれば、そんな戦術になど頼らない」

  A「あなたの言う『本当に優れた選手』でなくても構わないので、この戦術に

    頼りましょう」



 曖昧、難解な表現に関しては、『つまりは何が言いたいのか』を質問して意味をはっきりさせよう。もし相手が『こんな事も分からないのか』みたいな態度を取ったとしても、やはり"人格批判"に該当する。


 なお難解な表現であったとしても、例えば専門家など"意味が通じる者同士"での使用であれば何ら問題はない。専門家達にとって、"専門用語"は『分かりやすくて便利な表現』だからだ。


 繰り返すが、上記の表現を議論で決して使ってはならない、と言う訳ではない。大事なのは、使わなくても主張として成り立つかどうか、と言う点だ」


「……で結局、さっきのは何を言ってたんだ?」

「じゃあ、用語解説だ。


『スキーマ』とは、(心理学においては)心理的な枠組みの事(大阪と言えばタコ焼きだ、など。先入観のようなもの)であり、


『認知的不協和』とは、自分の中のイメージと現実にギャップがある時に感じるストレスの事だ。


 要するにBは、『Aは自分の精神的ストレスを軽減させるためにあんな事言ってるだけだ。それだと悪い事になる』……と言っていると解釈すれば良い」


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