チェリーピッキング(都合の良い事例だけを取り上げる)
「どうも、後手こと解説だ。
今回解説するのはこれだ。
■チェリーピッキング(都合の良い事例だけを取り上げる)
例:B「隣町のやつらは嘘つきばかりだ。例えば田中がそうだし、鈴木も佐藤も、
みんな嘘つきじゃないか」
"チェリーピッキング"とは、自説に都合の良い事例だけを選んで正しさを証明しようとする理論の事だ。しかし"事例"をいくら並べても、その"意見の正しさ"を証明する手段にはならない。意見の正しさは、あくまでも"理屈"によって証明されるためだ。
以下、ヘタクソな例だ。
例:B「この世の猫はみんな白猫だ。ウチで飼っている猫もそうだし、近所の猫も
そうだし、この前TVに出ていた猫も白猫だった」
こう言う風に論理構造を日常的な物事に当てはめてみると、どこがおかしいか直感的に分かりやすくなるぞ」
「こないだ俺の近所で見掛けた三毛猫は幻だった……?」
※対処法※
こう言う主張は、"一例"でも違うケースが存在すればその時点で論理が崩れ去
る。
例:B「隣町のやつらは嘘つきばかりだ。例えば田中がそうだし、鈴木も佐藤も、
みんなそうじゃないか」
A「山田は正直者だよ」
もっとも、『それは例外』と返されるかも知れない。
それよりも"具体的な因果関係"を問うなどした方が適切だろう」
「事例を挙げる事は駄目なのか?」
「そんな事はない。事例を挙げる事は問題ない。
そもそも"例(事例)"と言うものは、『意見を分かりやすく説明する』ために挙げられるものなんだ。理由をしっかり説明した上で、『例えば◯◯がそうだ』と例を挙げるのは正しい。『例を挙げさえすれば、それだけで意見の証明になる』と言う考え方に問題があるんだ。
そこに注意しておこう」