多数論証(数が多い方が正しい)
「どうも、後手こと解説だ。
今回解説するのはこれだ。
■多数論証(数が多い方が正しい)
例:「◯◯が正しいと思っている人なんて、君くらいのものだ。そんな考えは社会
では通用しないよ」
"多数論証"とは、意見を支持する人物の"数"で意見の正しさを決める事だ。大抵の場合『多数派だから正しい、少数派だから間違い』と決めつけられるな。
しかし、意見の正しさは『支持者の数』では決まらない。『理由』によって決まるんだ。多数の人々が支持していた説が間違いだった、と言う事例だってある。
例えば、昔はプトレマイオスの唱えた『天動説』を支持する人が多数派であり、アリスタルクスの唱えた『地動説(太陽中心説)』を支持する人は少数派だった。しかし、実際に正しかった説は『地動説』の方だったんだ。……まあ『天動説』が長らく支持されて来たのは、"説そのものの完成度が高かった"など相応の理由があったからなんだが、それはまた別の話だ。
そしてもちろん、以下の主張も同様に間違いだ。
例:「本当に正しい意見は、最初は中々世間に受け入れられないものだ。私の意見
が受け入れられないのは、正しい意見である証拠だ」
繰り返すが意見の正しさは『理由』によって決まる。"少数派だから正しい"なんて事もないので注意が必要だ」
「なあ。それだと"多数決"はどうなるんだ?」
「多数決で物事を決めるのは問題ないぞ。しかし『多数決で決まったから正しい意見』と言う考え方は適切ではない。気を付けよう。
そして、数の多さ(少なさ)そのものが重要な場合はこの限りではないぞ。
例:「人間は右利きの人の方が多い。だから当店に入荷する商品は、右利き用のも
のを多めに用意しておいた方が良い」
※対処法
せいぜい『それは意見の正しさとは関係ありません』と言うだけで十分だろう」