媒概念不周延の虚偽(共通点があるから同じ)
「どうも、後手こと解説だ。
今回は"共通点"に関する内容だ。
■媒概念不周延の虚偽(共通点があるから同じ)
例:「"ミスコンテスト"は、集めた人間達を品評すると言う点で"奴隷売買"と同じ
だ。今すぐ中止させるべきだ」
"媒概念不周延の虚偽"とは、『対象A』と『対象B』との間に"共通点"があるから両者は『同じ』とする理屈だ。しかし、共通点をいくら並べたところで『両者は同じ』であるとは結論付けられない。"相違点(違う部分)"の存在を無視しているためだ。
例文の場合、
一、奴隷には人権が与えられていないが、ミスコン参加者には人権が与えられてい
る。
二、奴隷達が売買されるのは"強制"であるが、ミスコン参加者がステージに上がる
のは"任意"である。
三、ミスコンでは、そもそも人間の売買は行われていない。
……などの相違点を考慮に入れていない。
以下にヘタクソな例を挙げておこう」
例:「"カラス"は、翼で空を飛ぶと言う点で"ジャンボジェット機"と同じだ。今す
ぐ人や荷物を乗せて飛ばすべきだ」
「……わぁ……」
「……突っ込みどころ満載な主張だと思うだろう? しかし、肝心要の"論理構造"自体は最初に挙げた例と何ら変わりがないんだ。
※対処法※
"共通点があれば同じ"と決め付ける事は出来ない点、"相違点"がある点などを指摘して、『別々の存在』である点をはっきりさせておこう。
念のために言っておくが、"両者の共通点を探る、指摘する"事そのものは問題ない。『共通点の存在 = 全く同じもの』と言う考え方に問題があるんだ」
明日は解説二話、後書き、参考リンク集の計四話投稿します。




