相殺法(お前だって論法)
「どうも、後手こと解説だ。
今回解説するものはこれだ。
■相殺法(お前だって論法)
例:A「議論の場において、"反語表現"は誤謬に当たる。Bは反語の使用を控える
べきだ」
B「そう言うAも、以前の議論で反語表現を使用していた。だったら俺も反語
を使ったって良いじゃないか」
"相殺法"とは、『相手の犯した失敗、罪』によって『自分の犯した失敗、罪』を"相殺(帳消し)"してしまう、と言う手法だ。
しかし失敗、罪は『"別の"失敗、罪』を持ち出しても"相殺"する事は出来ない。失敗、罪はそれぞれ"別個"に対処されるものだからだ。
以下、別の例だ。
例:B「なぜ俺だけが駐車違反で罰せられなければならないんだ。他にも駐車違反
を犯している奴らはたくさんいるし、世の中にはもっと悪い事をしている
奴らだっている。俺なんかより、まずそいつらから罰するべきだ」
……"他に駐車違反者がいる"事と、"今現在駐車違反を犯したBを罰する"事とは何ら関係がない。そしてもちろん、Bの駐車違反と"もっと悪い事"は全く関係がない。こちらは"論点相違"の一種でもあるな。
もしも『他の違反者は見付かっても罰を受けず、Bだけが罰を受けた』状況において、『自分だけでなく、他の違反者も公平に罰するべきだ』と主張するのであれば問題ない。
※対処法※
『失敗、罪は他の失敗、罪で帳消しには出来ない』『それとこれとは無関係』などの点をはっきりと伝えよう。
一応言っておくが、『失敗、罪は全て見逃せ』とも『失敗、罪を決して許すな』とも言いたい訳じゃない。他人の失敗、罪と論理の正しさとは分けて考えるべき、と言っているんだ。その点を気を付けよう」




