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人格批判(意見ではなく発言者を問題にする)

※今回のエッセイでは、登場人物紹介及び前提は初回以降は省略します。

「ドーモ、先手こと聞き手です」

「後手こと解説だ。それでは、今回から誤謬(ごびゅう)、詭弁の解説を始めよう。

 今回取り扱うものはこれだ。


■人格批判(意見ではなく発言者を問題にする)


例:A「……以上の理由により、私は◯◯を支持します」

  B「Aはまだ学生だ。人生経験の足りない人物に、真っ当な判断が出来る訳が

    ない」



 ……"人格批判"とは意見『そのもの』ではなく、意見を言った人物の『個人的特徴』を問題にする理屈の事だ。


(例:年齢・性別・学歴・能力・職業・思想・立場・国・人種・宗教・etc……)


 しかし『意見の正しさ』と、『意見を言った人物』とは切り離して考えなければならない。相手が例えどんな人物であろうと、意見の正しさとは全くの"無関係"

だ。


 以下にヘタクソな例を挙げよう。


例:A「人は水を飲まなければ生きて行く事は出来ない」

  B「Aはドロボーだ。だから、Aの言ってる事は間違いだ」



 ……どう思う?」


「……滅茶苦茶だな。Aが言ってる『人は水を飲まなきゃ生きられない』ってのは常識的な事じゃん。何で"Aがドロボー"だとそれが間違いになるんだよ」


「そう言う事だ。上に挙げた例は"常識に反する事"だから、直感的に"変"だと分かる。しかし最初に挙げた例も論理構造そのものはこれと全く同じ、『意見ではなく発言者を問題にする』……と言うものなんだ。


 以下、別の例だ。


例:A「……以上の理由により、私は◯◯を支持します」

  B「Aは◯◯によって利益を受けている。単に自分の都合のために◯◯を擁護ようご

    しているだけだから、信用出来ない」



 これは『状況対人論証』と呼ばれるものだ。『意見の正しさ』と『立場』は切り離して考えなければならない。


 ただしアンケートなどの"統計データ"においては、"利害関係者"がデータ作成に関わっている場合、『信憑性が下がる』ものと判断される。統計のトリックを使って"都合の良いデータ"を作る可能性があるためだ。もちろん、関係者と言うだけで即そのデータは嘘だとは決められないが。


 また、"議決"――参加者全員で採決を行い、多数決で勝敗を決める形式の議論である場合、『"議題"となっている物事の利害関係者は参加してはならない』と言うルールが存在する。利害関係者は当該事例に対し、公平な立場たり得ないからだ。


 例えば『〇〇社と××社、どちらのカップ麺が美味しいか?』と言う議決を行う場合、〇〇社と××社の社員及び関係者は議決に参加出来ない……と言う風な感じ

だ。こう言った場合、"状況対人論証"には当たらない。


 それと、『人格そのもの』が議論の対象になっている場合は問題ないぞ」


例:「Aは事ある毎に適当な嘘で誤魔化す奴だから、今回の発言も信用出来ない」

  「Bは責任感に欠けるところがあるから、リーダーには向かない」



※対処法※


「もしも人格批判を受けた時は、どう対処すれば良いんだ?」


「全く気にする必要はない。特に、今までこちらと普通に議論していた相手が突然人格批判を行ってきた場合、大半が『こちらの意見に真っ当な反論が出来なくなったので、代わりに人格を攻撃する』のが原因だったりする。


 完全に無視するか、せいぜい『関係ない』と言うだけで十分だ」


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