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ダブルスタンダード(二重規範)

「どうも、後手こと解説だ。

 今回は比較的有名な名称だから、聞いた事のある人も多いんじゃないかと思う

ぞ。


■ダブルスタンダード(二重規範)


 例:「何かを犠牲にしなければ幸せを得られない今の状況は間違っている。例え

    どのような痛みを伴ってでも、この現状を変えなければならない」



 "ダブルスタンダード"とは、物事を判断するための基準や規範を、状況に応じて複数使い分ける事だ。


 例文の場合、『他人が何かを犠牲にする』事は"間違い"だと言っている一方で、『自分が何かを犠牲にする(痛みを伴う)』事は"推し進める"べきだと言ってい

る。


 言い換えれば全く同じ行動、判断を『他人は駄目だが自分は良い』、と言っているも同然なんだ」


「まさに"ダブスタ乙"だな」

「ネットでもしばしば見掛けるからな。いわゆる"ブーメラン発言"も、大抵『他人は駄目、自分は良い』の構造を取っているからこそ問題なんだ。


 ただし、全てのダブルスタンダードが"悪い"かと言えばそうではない」


「……え? いや、ダブスタは普通に悪いだろ?」


「例えば『他人のミスには厳しくて、自分のミスには優しい』人物は信用が落ちるだろう。

 対して『他人のミスには優しくて、自分のミスには厳しい』人物ならどうだ? むしろ好感の持てる人物とは思わないか?」


「確かに……そいつ、めっちゃ良い奴じゃん」


「要するにダブルスタンダードが"悪い"理由は、不公平な判断によって『他人には不利益、自分には利益』を与えるからだ。『他人には利益、自分には不利益』と言う判断を批判する必要はないだろう。せいぜい『もっと自分を大事にしても良いんだ』と言う程度のものだ。


 また"適切な理由"による結果、『違う基準を適用する』ケースは問題にはならない。


 例えば新しく法律が出来た場合、"過去に(さかのぼ)って"罪を適用させる事は出来ない一方、法律がなくなった場合は"過去に遡って"罪が無効、軽減される。片や『昔の行いに適用しない(罪は問えない)』、片や『昔の行いに適用する(罪が消滅、または軽減される)』となる。これは『法や刑罰は、本質的に憲法で定められた人権を"侵害する"ものなのだから、人権保証の観点から"被告にとって利益"となる判断を取るべき』……と言う理由があるからだ(罪刑法定(ざいけいほうてい)主義・法の不遡及(ふそきゅう)の原則)。


※対処法※


 相手の判断基準がブレている点を指摘しよう。その上で、『判断基準を統一』させるよう要求するか、あるいは『判断基準が違う事を正当化出来る理由』を問うんだ。


 ちなみに、ダブルスタンダードは『同じような状況で違う判断基準を用いる』から問題になる。"仕事では些細な点も見逃さないが、プライベートでは些細な点は気にしない"など、『違う状況で違う判断基準を用いる』事は全く問題ないぞ」


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