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第79話 始祖竜という存在

フィーリーアさんとやんわりバトります。

話はフィーリーアが激怒している現在に戻る。



(さて、どうするか)



魔剣リティスリティアをフィーリーアに見せても効果はなく、むしろ煽ってしまうだけの結果に終わっていた。


フィーリーアと全力で戦ったことはなかったクドウだったが、昔のクドウならともかく今のクドウではどう背伸びしてもフィーリーアに勝つことは不可能だ。



ユリウスと共闘したとしても多分無理だ。


クドウは自身の力を過小評価することはないが、逆に過大評価することもない。


勝てる相手には勝てると言うし、勝てない相手には勝てないとはっきり言う。



(無理だな。まともに戦って勝ち目なんかねーわ。ムリゲーだ)



戦いに勝利した後に説得するという案はすぐにクドウの中で破棄された。


となれば、クドウ自身がギー君本人だということを証明するしかない。



「おいっ! 来るぞ!」



そんなクドウの思考もお構いなしにユリウスの声が響き渡り、フィーリーアは吼える。



「消し飛べ! ギー君の恨みだ!」



そう言ってフィーリーアが行使した魔法は第一級魔法【竜星群】。



そして——。



第1級魔法【拡散式竜星砲】。



人間界の大地を抉った光の魔法、第1級魔法【竜星砲】の別バージョンの魔法だ。


収束させた只の【竜星砲】とは違い、拡散させることにより一本一本の光の攻撃力は落ちるがその分回避が困難になる。


見た目にはフィーリーアは2つの第1級魔法を同時に行使しているかのように見えるが、実はそうではない。


3つだ。


目に映る2つの魔法だけでなくこの辺り一帯には第1級魔法【絶対領域】が行使されていた。


広範囲に転移魔法や通信魔法、その他外部からの干渉等々を諸々遮断する空間を作り出す大魔法である。


転移魔法を封じられた上に、上空からは地上を覆いつくすかのような光の雨。正面からは数十にも及ぶ光の光線がクドウとアリアス達に向けて放たれた。



「おいおい、マジじゃねーかよ!」



どう考えても全て避け切るのは不可能だった。


かといって、防ぐのも容易ではない。



「くそっ! おい、これが終わったら一杯驕れよ!」



「それはこちらのセリフだ! つまらんことに巻き込みおって!」



2人は罵倒しあいながらも、それぞれが最善と思う行動に移った。



「黒異点・改!」



「神装武神!」



クドウはあらゆる魔法を吸い込む数mの巨大な黒い球体を生み出す第1級魔法【黒異点・改】を行使した。


あらゆるとは言ったが理想上の話だ。


限界を超えるエネルギーまでは吸い込み切れないし、あまりに離れた位置を通過する魔法までは吸うことはできない。



その分、数を出してカバーするわけだが、どう考えても全方位から降り注ぐフィーリーアの魔法全てを防ぐことはできない。


一方、ユリウスが行使した魔法は【神装武神】。


ユリウスの得意とする防御魔法の1つでこちらも第一級魔法に分類されている。


ユリウスとクドウの周囲の【黒異点・改】の内側に複数の光輝く盾が創成された。


そして、その直後2人に向けてフィーリーアが放った2つの魔法が文字通り雨のように降ってきた。



「「おぉぉぉー」」



凄まじい攻撃力と密度を持った光がクドウとユリウスの作り出した防御障壁に次々と突き刺さっていく。


目の前でユリウスの『神装武神』の光の盾は軋みを上げ、クドウの『黒異点・改』は吸収可能エネルギーの限界まで着実に近づいていった。


そして、時間としてはわずか10数秒だった長い時間がやっと終わる。


 ユリウスの【神装武神】の消耗具合はクドウには分からないが、クドウの『黒異点・改』は吸収限界の実に8割以上に達していた。


普通に考えればありえないパーセンテージである。


ディスるわけではないが、さっきまで戦闘していたガデュス相手ならガデュスの魔力が尽きるまで魔法を撃ち続けたとしても、吸収限界の1割もいかないだろう。


決してガデュスが弱いわけではない。


本来、俺の黒異点・改とはそれほどに万能かつ無尽蔵の吸収性能を誇る大魔法なのだ。


単純にフィーリーアが攻撃力が異常なだけなのである。


フィーリーアの攻撃を防ぎ切りチャンスと見たのかユリウスはフィーリーアに攻撃を仕掛ける。



「神槍武神!」



直径僅か10cm程の光の槍がフィーリーアに向けて放たれる。



見た目こそ地味で、フィーリーアの竜星砲の劣化版にしか見えないが、本来よりも攻撃範囲を限界まで狭め、貫通力に特化した第1級魔法だった。


神槍武神の圧倒的攻撃速度に反応できなかったのかそれとも避ける必要すら感じなかったのか神槍武神はフィーリーアに直撃したが……。



「ふははははは、……無傷とはな」



フィーリーアに直撃したはずの神槍武神は無情にもフィーリーアに僅かなダメージを与えることなく消え失せたのだった。


そこでクドウはユリウスに伝えるのを忘れていた事を思い出す。



「竜形態の母さんに魔法は効かないぞ。まぁ物理攻撃も殆ど効かないけどな」



「それを早く言え! ……それで弱点はなんだ?」



(お前が勝手に攻撃したんだろ。あと残念なお知らせだが)



「だから物理攻撃。まぁ殆ど効かないけどな」



殆どというか恐らく、ユリウスのあらゆる攻撃手段の中でもフィーリーアに有効的ダメージを与えられる攻撃はほぼないに等しいだろう。


強いて言うならクドウのリティスリティアによる斬撃もしくはリティスリティアありきの物理系の魔法が有効と言えば有効だが、今のクドウの力でダメージが通るかは甚だ疑問だった。


そもそもクドウは当てられる気もあまりしなかった。余程の隙でもあれば別だが。



「なんだそれは! 勝ち目などないではないか!」



「だから言っただろ。ムリゲーだって」



そう、初めから戦って勝ち目などほぼない。



なにせ目の前にいるフィーリーアは世界最強の一角にして、全ての竜の始まりである始祖竜の一体なのだから。

フィーリーアさん強すぎですね。

クドウさん初の敗北の予感です。

ユリウスに至っては今回負ければ神様なのにまさかの2連敗。まぁ相手が悪すぎた感ありますが。



ストーリーとは関係ないのですがストックがほとんど尽きてしまったのと、新作執筆の為、更新頻度を少なくなります。

一応、最低でも週1の更新はできるようにはしますが、ストック確保と新作がかなり書きあがればまた通常の頻度には戻すつもりではいます。


ストーリー的にはいいとこでの更新頻度低下で読んでくれてる方にはご迷惑おかけします。


詳しくは活動報告に書きますので、気になる方はそちらも見て頂けると助かります。

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