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第76話 俺だよ俺、〇〇だよ。

結構前にPV2万超えておりました!

見てくれた皆さまありがとうございました!


今回自分でいうのもなんですが面白いです。個人的に!

シラルークで呑気なクドウとアルジールの勇者推薦合戦が行われていた頃、四天王アルジール領では——。



「……化け物め」



ユリウスは聖竜フィーリーアを相手に善戦を続けていた。


だが——。



「その程度か、3神ユリウス」



ユリウスは数多くの第1級魔法や第2級魔法を軸に戦っていたが、そのどれもがフィーリーアに決定的なダメージを与える事はできずにいた。


というよりフィーリーアはほぼ無傷だった。


身体中に目に見えないほどの僅かな傷を受けているようだったが、その僅かな傷でさえ戦闘の最中に回復していっている有様だ。


一方のユリウスはというと決定的なダメージこそ受けていないが、魔力はかなりもっていかれ、それなりの傷を体のあちこちに受けている。


今はまだ無視できる程度の傷だが、完全にジリ貧だった。


このまま戦い続ければ先に倒れるのは確実に自分であることはユリウスの目から見ても明らかだ。



「クソ、あやつは何をやっておるのだ」



(あの男しっかりと伝言したのだろうな。まさか、聖竜が去ったのに浮かれて忘れられちゃいないだろうな?)



見るからにユリウスを崇拝していそうなあの都市長と法王もいるので流石にそれはないだろうと思いつつも、ユリウスは気が気ではなかった。



(仕方ない。あいつを呼ぶか? 魔界だし、そんなに離れてないよな? 最悪ジンさんにもきてもらって……。でもジンさんはともかくあいつは「えー、嫌よ、聖竜なんか」とか言いそうだな)



「あやつ? 援軍の当てでもあるのか? かまわないぞ? まとめて消し飛ばしてやるだけだけだ」



フィーリーアは冷たい目でユリウスを見下ろしていた。


最初から分かっていた事だが、やはり3神といえど、この程度だった。


所詮、自分の敵ではなかったとフィーリーアは確信した。



「なに、こちらの話だ」



(そもそも、なぜ我があやつの為にここまでしてやらねばならんのだ。あの場で全てバラしてしまえばよかったか? 今からでは……流石に信じてはくれないか)



シラルークでギー君ことギラスマティアが転生したというのを話す事が出来なかったのは周囲の目があったからだった。


魔王ギラスマティアが転生したことは一応トップシークレットとなっていた。


魔王ギラスマティアと魔人アルジールが転生したことが分かれば、真っ先に疑われるのはこの数日で突如頭角を現したクドウとアールだろう。


そもそもバラした時にクドウ達が帰ってきたりなどすれば聖竜の反応ですぐにギー君=魔王ギラスマティア=クドウという方程式成り立ってしまう。


そうなればいくらクドウに人間界に居場所は無くなってしまうだろう。


人間に転生してしまった時点で魔界も同様である。


人間に転生した魔王のいう事など誰も聞くはずがないのだ。


そうなってしまえばユリウス達の長きに渡る計画が全てダメになってしまう。


数百年待った唯一のチャンスが今なのだ。


これを逃せば恐らく次はないだろう。



(おっ? 来たか)



「遅いぞ」



「いやぁ、悪い悪い」



ユリウスのすぐ傍に転移してきたクドウがユリウスに謝罪するが、あまり心のこもっていない謝罪だったようにユリウスには見えた。——実際あまりこもっていないので当然ではあるが。


一方、突如転移してきたクドウを見てフィーリーアは言った。



「それがお前の期待してた援軍か? あまり強そうには見えないが?」



口ではそう言うフィーリーアだが、今クドウが転移に使用した魔法は第1級魔法テレポーテーションだ。


少なくても第1級魔法を難なく使用する実力があるのは確かなのだろう。


だが、それでもフィーリーアの余裕は崩す理由にはならない。



(3神とやらのもう2人の内の1人か? ということはあのユリウスという神と同程度の実力か?)



フィーリーアは冷静にクドウの実力の分析を始める。



(それにしては装備が貧弱すぎるな。まぁどちらにせよ。関係ないが)



防具にせよ剣にせよフィーリーアを前にそんなことはあまり関係のない事だった。


どんな鎧でもフィーリーアの攻撃は防ぎきる事はできないし、どんな剣でもフィーリーアの強固な鱗で弾かれてしまう。


つまり、どんな装備でもフィーリーアの前にはほとんど意味を為さないのだ。


ごくごく一部の例外を除いてだが。



「お喋りは終わりだな。では消し飛ぶがいい」



「ちょっと待て。今攻撃すればお前は一生後悔——」



「知るか。その手にはもう乗らぬ。消し飛べ」



そして、フィーリーアが魔法を発動させようとしたその時だった。



「待ってよ、母さん。俺だよ俺」



クドウがオレオレ詐欺そのままのセリフを吐いた。


フィーリーアはオレオレ詐欺など知らないだろうが、少しだけ魔法の発動を遅らせ、返事を返す。



「貴様など、知らぬ。我が子はアクアとガイアにシルフィル、……それとギー君だけだ。戯言は終わりだな。では消し飛べ」



クドウはフィーリーアの魔法が発動間近になっても防御態勢を取ることなく、貧相な革カバンの中をゴソゴソして完全に無防備だった。


ちなみに後ろのユリウスは防御障壁を張りつつ、構えに入っている。完全に防御する気満々の態勢だ。


そしてそんな中、またフィーリーアが魔法を発動させようとしたその時。



「ほら、これ。リティスリティア」



フィーリーアは目を見開いた。


クドウがゴソゴソとカバンから取り出したそれは紛れもなくギー君の愛剣リティスリティアそのものだった。


だが——。



「貴様ぁぁぁー! ギー君を殺しただけでは飽き足らず、リティスリティアまで奪ったか!」



(なるほど、そう取られるか。まぁ仕方ない)



フィーリーアがユリウスを激しく睨む。


どうやらユリウスがギー君を殺してクドウに渡したと勘違いしたらしかった。


だが、元々リティスリティアはクドウのだったし、そもそもクドウこそがギー君こと魔王ギラスマティアなのだ。



「おい、ギー君! 煽ってどうする!」



後ろから非難するユリウスの声が聞こえるがクドウとしては煽ったつもりはない。



(ていうかお前がギー君って呼ぶな。気持ち悪い)



(さて、どうしよう)



目の前で激怒するフィーリーアを前にクドウは頭を抱えるのだった。


間に合ったギー君。


だが、真実を伝えても信じてくれないフィーリーア。


クドウとユリウスは消し飛んでしまうのでしょうか?w


あ、本日ですが初レビューを頂いてしまいました!

コメッコはハッスルハッスルしております!ストックかつかつですけどね!w


ブクマしてくれた方もありがとうございました!

面白ければブクマや評価、あと流石にもうないと思いますがレビューなども頂けると嬉しいです!


コメッコはハッスルハッスルしております!ストックなくなったけど!w

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