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第62話 滅びの光

基本コメディーな今回の話ですが、最後の最後で事態が急変します。


はっはー、楽しくなってきたぜぇー!


ではお楽しみください!

「うるさい奴だ、クドウ様、私が始末してまいります」



うるさく喚くゾデュスを見てアルジールはそう言うと、アルジールは前に出た。



「なんだ、貴様は? そこのクドウとかいうE級冒険者を出せ! 手始めに俺の部下をやったそいつから血祭りに上げてやる!」



たった1人しか残っていないというのにゾデュスはそんな馬鹿げた事を言った。


こっちは別に全員でゾデュスを血祭りに上げてしまってもいいのだ。


横にいる弟のガデュスも「やめてくれぇ~、兄貴ぃ~、魔界に帰ろうぜぇ~」と言っている。


こんな状況でどう魔界に帰るつもりなのかは知らないが、ガデュスの言う事の方がまだマトモと言えるだろう。


だが、そんなゾデュスの言葉をなぜかシステアが肯定する。



「そうですね、クドウさんが戦うのがいいですね」



「えっ、アールさんのままでよくないですか?」



それに異議を唱えるのはアリアスだ。


二人の発言の意図が全く分からない。どちらが戦っても結果は恐らく変わらないだろう。


アルジールもしくは俺の戦闘力に対して不安があるのだろうか?


どちらにせよ的外れである。


俺はもちろんだが、アルジールがゾデュスに後れを取る姿を想像することなどできないのだから。


そもそもそんな心配をするくらいなら俺達2人で。もっと言えば全員で血祭りに上げてしまえばよいのだし。


2人が謎の言い争いを続けている中、ニアが俺の傍までやってきて小さな声で言う。



「クドウさんクドウさん、あの2人なんですけど、クドウさんとアルジールのどちらを勇者として推薦するかで言い争っていたんですよ。一応、お二方両名の推薦を私たち全員で行うということで話がついていたのですけど、恐らくその流れの続きだと思います」



なに? まさかそんな話になっていたとは。


つまり、システアはアリアスに俺の力を、アリアスはシステアにアルジールの力を見せつけたい。

そういう話なのだろう。


たったこれだけの事で勇者とは。案外ちょろかったな。


クドウがそんなことを思っていると今度はガランが話に入ってくる。



「俺聞いてないっスよ」



「まだ話していませんでしたからね。でも言う事聞いた方がいいと思いますよ……」



「そうっスね……。ところでクドウさんに聞きたかったんスけど——」



少し勿体つけるとガランは言った。



「ぶっちゃけクドウさんとアールさんってどっちが強いんスか?」



「えっ?」



どう答えたものだろうか。


ぶっちゃけ俺の方が圧倒的に強い。転生前の力関係から考えればだが、恐らくあの差は転生後もそっくりそのままのはずだ。


アルジールがどの程度力見せたかは知らないが、仮に俺がここで「俺のが圧倒的に強いよ」などと言ってしまえば、色々な弊害が出てくる可能性もなくはないだろう。


例えば、調子に乗った冒険者協会の上層部が「今こそ、魔人共に力を見せる時! 全面戦争じゃー!」とか言い出したり。


まぁさすがにそれはないだろうが、それに近いことを言いだす可能性もある。


人間界からしてみれば魔界勢力はいつか倒さなければいけない相手だ。


時代によって戦力の波がある人間界と違い、魔界戦力はいつの時代も強大なのだ。


魔王(俺)の加護が無くなったと知れた今、初代勇者いた時代以来の最高戦力が揃った今、戦いを仕掛けると言い出す者も出てくるはずだ。


それはそれで面白いかもしれないが、俺としてはできればじっくりやっていきたいのだ。


それに俺も全盛期——と言ってもつい数日前の俺から比べれば格段に力は落ちている。


どれほど時間がかかるかは分からないが力を取り戻す時間も欲しい。


とはいえ、「アールの方が強いよ」などというすぐバレる嘘をつくわけにもいかない俺は——。



「……ギリギリ俺かな」



とお茶を濁したのだったが——。



「マジっスか? うぉぉー、スゲーっス!」



「えっ、本当ですか? アールさんよりも……?」



凄い盛り上がりようである。


そりゃ目立たないとはいえリーダーは一応俺なのだからそれはそうだろうよ。



(あいつ、一体どんな戦いを披露したんだ? まさか第一級魔法なんか使っていないだろうな?)



俺がそんなことを考えている傍ではいつの間にかアリアスとシステアのじゃんけん合戦まで始まっていた。


恐らく俺とアルジールどちらが戦うか決めるための戦いなのだろう。



「てめぇらぁ! 舐めやがってぇー!」



デジャブだろうか? 


前話の最後——いやいや、さっきも聞いたゾデュスの声が聞こえたが、誰もゾデュスの言う事など聞いていなかった。


そんな時だった。


俺の魔力センサーが凄まじい魔力の反応を捉えたのは。



「——退避!!!」



俺は咄嗟に叫んでいた。


ゾデュスの声など聞いていなかった勇者パーティーやアルジールにアルメイヤ。


ついでに敵であるはずのゾデュスやガデュスでさえも訳も分からずアルメイヤによって木々が焼き尽くされ開かれていたこの場から全速力で退避していた。


その直後だった。


ついさっきまで俺達がいた場所に全てを消し去る光が降り注いだのだった。


最後の最後に突如やってきた光。

ゾデュスさんとガデュスさんは無事だったのでしょうか?


光を放ったのは魔王軍四天王か、もしくは未知なる敵か?

次話が楽しみで仕方ないですね。うん。皆さん楽しみにしているに違いないです。




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