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第56話 似た者兄弟

ちょっと短いです。うまく区切れませんでした。反省です。

ガデュスが俺とゾデュスの中間地点にナイスオンする数分前の事——



「なんだぁ~、お前らぁ~」



目の前に現れたアリアス達を見たガデュスは間延びした声で言うと、アルジールは不機嫌そうに言い返した。



「貴様こそなんだ? 見たことがないな。軍団長ではないのか?」



アルジールはガランがさきほど「強い魔人嫌っス」などと言っていたことを思い出した。



「こっちははずれだったようだな。ガランよ、よかったな。こちらには雑魚しかいないようだぞ」



「いやいや、あれやばいっスよ。今喋ってた魔人。ていうか見たことないってなんスか? 軍団長はみた事あるんっスか?」



アルジールは一応元魔王軍四天王筆頭である。もちろん4人しかいない魔王軍軍団長の顔はかろうじて全員覚えている。


アルジールが記憶にないという事は少なくても軍団長ではなく部隊長とかそんな感じなのだろう。


アルジールにとっては顔が分からない時点で雑魚もしくはとても雑魚の違いでしかない。



「まぁ細かい事は気にするな。ガランよ。それよりも……あれがヤバイ?」



アルジールは全神経を使って目の前の魔人を見る。——がやはり雑魚にしか見えない。


ついでにアルジールは雑魚魔人の後ろの魔人達も確認してみると確かに僅かながら雑魚魔人の方が強い魔力も持っていることにようやく気付く。



「確かに後ろにいる雑魚よりは強い雑魚のようだな。だが、雑魚に違いはない」



「ハハッ、そうっスか……」



ガランは苦笑いする。システアが強いと言っていたので間違いなく強いのだろうがあまり観察眼はないようだとガランは思う。



「なんだぁ~、この金髪野郎はぁ? イカレてやがんのかぁ?」



クドウがいれば「その通り!」と同意の声が上がったのだろうか。今いるメンツからはそんな声は上がる事はなかった。



「よくぞ聞いたな。私はクドウ様に仕えるE級冒険者アールだ」



 誇らしそうに名乗ったアルジールに魔人達の視線は釘付けになった。


そして、数秒後。



「「ハハハハハッ!」」



魔人のほぼ全員の大爆笑が起きた。



「クドウって誰だぁ? ていうかE級冒険者パーティーだったのかぁ~? お前らぁ?」



アルジールがE級冒険者と名乗ったことでアリアス達までE級冒険者だと勘違いされてしまったようである。


アリアス達からすれば赤っ恥だが、アルジールからすればそんなことはどうでもいい事だった。


アルジールの姿が一瞬にして消え——次の瞬間。


ガデュスの顔面にアルジールの拳が突き刺さっていた。


その細腕のどこにそんなパワーがあるのかというくらいにガデュスは後方に吹き飛ばされ木に激突した所で止まった。



「うっそぉ……っス」



ガランは驚きのあまり目の前の光景に絶句し、アリアスも「えっ、速っ」と呟いている。


ニアに至っては何が起きたかよく見えていなかったようで何が何だか状態である。



「てんめぇ~」



ガデュスは顔から血を垂れ流しながらも立ち上がった。流石に素手のパンチだけでは仕留め切れなかった様だ。



「てめえらぁぁぁ! 後ろの3人を殺せぇ~! 俺はあの胸糞悪いE級冒険者を殺るぅ~!」



奇しくもガデュスも兄ゾデュスとほぼ同じ発言をしながらアルジールに迫ってきた。


クドウ達と大きく違った点はアルジールがクドウのミラージュミストのような敵を分断する魔法を使えないという点だった。


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