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第25話 勇者ご一行

ぼちぼち面白くなってきます、きっと、多分!

クドウが頭を抱える1時間ほど前——


ユリウス教総本山であるユリウス教大聖堂がある都市ユリスリティアにて法王を含めた神官達が勢ぞろいしていた。


神ユリウスが降臨したのは今朝の事である。


その神ユリウスが降臨してたった数時間しか経ってないというのに遠く離れた町シラルークから凶報が届いたのはちょうど1時間前の事だ。


シラルークとその周辺の町が闇に包まれた。


そんな報告がシラルーク教会より届いたのだ。


それを聞いた神官達がすぐに思い出したのが今朝、神ユリウスに見せられたあの記憶での出来事。



「……魔人アルジールが人間界に」



1人の神官がポツリと呟いた。


シラルークからの報告を聞いて今までの1時間ユリウス教の総力を挙げて、魔人に関する古文書を調べつくしたが、結果、現魔王軍四天王筆頭魔人アルジールによる大魔法【雷神招来】以外でこのような現象を引き起こせるという記述は一切なかった。


魔王亡き今、あのような大魔法を引き起こせるのは魔人アルジールをおいて他にはいない。


それが神官達の導き出した結論であった。


神ユリウスに見せられた記憶での人間界を包み込んだ闇も魔人アルジールの大魔法【雷神招来だった可能性も高い。



「まさか昨日の今日でもう魔人達が攻めてくるなど!」



「しかも四天王筆頭魔人アルジールが直々にだと! やつら本気で人間界を攻め滅ぼす気に違いない」



「古文書に度々残されている魔人アルジールの性格は凶暴にして冷酷非道! 魔王ギラスマティアに仕えてからは大人しくなったとなっているが、魔王亡き今、何をしでかすか分からんぞ!」



神官達は口々に今、人間界が脅かされている危機について主張する。

そんな中にあっても法王は冷静に神官達を宥める。



「今、冒険者協会に連絡を取って、こちらに勇者ご一行が移動中との事だ。しばし待たれよ」



法王の一言の後、神官達が集まるこの1室の扉が開き、純白の煌びやかな法衣に身を包んだ少女が中に入ってきた。



「あら、勇者様がこちらに来られるのですね。元気にしていらっしゃったのかしら」



扉を開いた声の主に神官達の視線が集まる。



「「おぉ、聖女ニア様!」」



神官達の言葉に聖女ニアは笑顔で答える。


聖女は神官達の選挙で選ばれる法王とは違い、神ユリウス自らの手によって選出される。

神ユリウスに選ばれた少女はある日突然、ユリウス教のシンボルである1対の天使の羽のエンブレムが手の甲に刻まれるのである。


神ユリウスによって選ばれた聖女は例外なく人間界最高の治癒術師となる。


生まれつきか神ユリウスに与えられた物かまでは分からない。


だが結果として最高の治癒術師となった聖女は時が来れば勇者達と共に魔王を討つ旅に出向くことになる。



「聖女ニアよ。もう少しで勇者様ご一行が到着するとの事だ。この場でしばし待つがいい」



法王がそう言うとニアは不思議そうな声で法王の言葉を否定する。



「えっ、待つ必要はないと思いますわ。法王様」



ニアの視線が何もないはずの空間に向いている。

神官達はニアの視線を追って、その空間を見るといつの間にか見知らぬ少女がその場に立っていた。



「なんだ! お前は!」



「魔人の襲撃か!」



次々と見知らぬ少女に対し、神官達の警戒の声が上がった。


そんな神官達の声を無視して少女は1つの魔法を発動した。


少女によって作り出された漆黒の渦から何者かがこちらにやってくる。



「待て! 貴様! 止めろと言っておるのが分からんか!」



一人の神官が遂に少女に攻撃を仕掛けるべく、魔法を繰り出そうとするが、なぜか魔法は発動しない。



「……な、なぜだ?」



神官がぽつりと呟くと、少女が言った。



「貴様程度の低階級の魔法などわしにかかれば、発動前にかき消すことなど造作もないわ。あとこんなプリティーなわしの事を魔人とかなんとか抜かした奴にはお仕置きじゃ!」



少女がそういうと「魔人の襲撃か!」と叫んでいた神官に向けてデコピンのような仕草をした直後、神官は後方に吹き飛ばされた。



「えっ、システアさん? まさか殺しちゃったんですか……?」



漆黒の渦から最初に出てきた少年が少女に恐る恐る問いかけた。



「バカモン! あれくらいの事で人を殺すか! わしをなんだと思っておる?」



「えっ、凶暴な史上最凶魔法使い?」



少年がそう言うと、少女は「うきゃー」と叫びながら先程神官を吹き飛ばしたデコピンを少年に向けて乱射しまくった。


しかし、少年はそれを全て避けまくり、やがて少女の攻撃は止んだ。



「相変わらず、すばしっこい奴じゃ……」



息を切らしたりはしなかったが少女は呆れたようにそう言った。


そんな様子を黙ってみていた法王は見かねて少女に話しかけた。



「システア殿、お戯れはそこまでにしていただきたい」



「なんじゃ法王、仕掛けてきたのはそっちじゃろう」



システアと呼ばれた少女は法王の腹にパンチをシュシュシュと繰り出す仕草をして抗議する。



「お前たちも冷静にならんか。この方たちが勇者様ご一行だ。無礼な真似をするでない」



法王がそう言うとシステアはその場にふんぞり返った。

面白い! と思ったらで構いませんので広告の下にある☆☆☆☆☆を★★★★★にしていただけると、ありがたいです!

かなーりやる気が出ます!

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