第22話 幼馴染、うん、いいよね
イカレた四天王の妹が仲間になりました。
テッテレー! パーティー【魔王】にイカレたお姉さんが仲間になった!
変なナレーションが聞こえた気がした俺はアルメイヤの意思を確認した後、アルジールの元へと説明に向かった。
「アール、なんかアルメイヤだけどな、俺達の転生に巻き込まれたみたいだ」
「……と申されますと?」
不可解そうなアルジールに本当の事を言うか一瞬迷うが、言ってしまってはアルメイヤに恨まれそうな気もする。
という事で俺は適当にはぐらかすことにした。
「なんか俺に報告することがあったらしい。その時たまたま俺が転生アイテムを使用した時みたいでな。巻き込んでしまったみたいだ」
それを聞いたアルジールは少し考えるように黙り込む。
バレたか? 俺は悪くないぞ。最善を尽くしたはずだ。
どぎまぎする俺にアルジールは耳打ちする。
「どうしますか? 始末いたしますか? 魔人達にこの事がバレては不味いのでしょう? 兄として心苦しくありますが、魔王様の命令とあらば……」
マジか。こいつ。兄妹で温度差エグイな。兄妹だよね?
俺第一のアルジールは妹ですら俺の利益とあらば、躊躇なく始末するらしい。
俺の命令ならこいつは世界さえ滅ぼすと言いそうだ。
まぁ俺が命令しなくても滅ぼすとか言いそうなのはまぁ置いといて。
「いや、俺達の仲間になってくれるらしい。おま——俺に忠誠を尽くしているみたいだな。俺達を必死に探していたそうだ」
「なんと! 流石はクドウ様! 人心掌握でも魔界で右に出る者はおりませんね!」
俺じゃなくお前だけどな。でも、ばらすと不味そうなのでそういうことにする。
俺はアルメイヤを手招きでこっちにこいと呼びかけるとアルメイヤはこちらに駆けてくる。
「アルジールにお前に起きたことを説明した。これからお前は俺達【魔王】の一員だ。よろしく頼む」
「はい、よろしくお願いいたします。魔王様。お兄ちゃん!」
お兄ちゃんのとこだけ強調が強すぎる気がするが俺は気にしない。
そんな事よりもだ。
「魔王様は禁止だ。あとアルジールの事はアールもしくは……」
お兄ちゃんと呼ぶようにと言おうとして俺は考えた。
兄妹には見えないな。両方美形だから親族なのは問題なさそうだが、年齢が……。
アルジールよりもアルメイヤの方が年上に見える。アルジールは冒険者協会に登録したように17歳くらいに見えるがアルメイヤは……。
「アルメイヤ、お前冒険者協会に何歳で登録した?」
「えっと、20歳ですが」
ふむ、まぁそんなところか。
見ようによってはそれ以上に見えなくもない。
外見どうこう以前に冒険者協会の登録上すでに逆転現象が起こってしまっている。
転生時の容姿や年齢の変化の法則性がまったく分からない。
神の俺への嫌がらせかと思っていたが、アルジールとアルメイヤは神と面識がないので、そういうわけでもなさそうだ。
「アルメイヤ、アルジールの事はアールと呼ぶように、兄妹って事は話すな。幼馴染って設定でいけ」
そう言うと、アルメイヤはなぜか顔をぽっと赤くさせ、呟いた。
「……幼馴染……いい」
こいつ本当に大丈夫だよな? 間違いとか犯さすなよ。あ、転生してるから別にいいのか? 分からん。
ていうか魔王って呼ぶなって言ってるのに何でパーティー名がなんで【魔王】なんですか? とかそういう疑問はないんだな。
まぁ説明する手間が省けたけども。
「そういうことだ。アルジールも分かったな?」
「畏まりました。魔王様。とはいえ私はこれまでと同じくメイヤと呼ぶことにしますので、何も変わらないのですが」
じゃあ俺もメイヤと呼ぶことにするか。
俺やアルジールほどではないにしてもアルメイヤも結構有名所な魔人の1人だ。知っている冒険者がいるかもしれないからな。
「さて、予定外な事もあったが、無事D級依頼達成だ! 凱旋するぞ!」
「「はは、クドウ様!」」
他の人々達への口裏合わせを終えた俺達はシラルークへと帰還することにした。
だが、俺達はこの時はまだ知らなかった。
激しい戦いがこれから帰還するシラルークで待ち受けている事に……。
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