表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

5/42

閑話・三百話記念第三弾

   シルバーンの日常と、兵器テスト2



 小惑星破砕騒ぎの数日後、シルバーンは土星・天王星中間宙域に空間転移。

先の小惑星破砕の時のように、ゲーム世界から転移して初めての大規模要塞兵装の

試射を行った。使用された兵器は……


 要塞表面上の対空砲塔群のビームを、操作可能な反射粒子にて一点に収束して発射する

大口径砲「アルキメデス・ミラー」


 同じく。要塞表面上の対空砲塔群のビームを、今度は乱反射させて要塞全周上の物体を

オールレンジ攻撃する「ミラーボール」


以上の試射を行った。


 結果は。前者は直径数キロに及ぶ光の奔流によって

予め用意されていた総数、千隻ほどのダミー艦隊を一撃で消滅させた。


 後者は通称通り、光の乱反射によって要塞に接近中だった

他のダミー目標群を数分の応戦で一掃した。


 side ヒルデ


 懸案だった要塞兵器の試射も無事に終わったわね。

リースル中央管制室長の話だと、こちらに転移する前の時も使っていなかったそうだし。

ただ、「ギャラクシー・オブ・ザ・プラネット」内の大規模会戦。

第四十三次・馬頭星雲会戦で他のプレイヤーが保有するシルバーン級要塞が

同じ兵器を使って無双していたらしいけど……

あの兵器を撃ちまくる……(冷汗)

笑えないわ……(ガクガク)


 大規模兵器による無双風景を想像して、青い顔をしていたヒルデであったが

地上拠点から依頼(押し付け)された、オガサワラオオコウモリの子供「サワ」の

世話をする為に自室に引き取るのであった……

 なお。エピオルニスの雛達は、専用スペースで就寝中。普段は皆、そこに居る模様。




 更に後日……


 - 宇宙要塞シルバーン天頂(北極)エリア・第一中央宇宙港 -


この日。地球に向けて発艦する、数隻の艦(船?)があった。



 -試作ガレオン型航宙艦・銀河級一番艦「銀河」-


 ここ「銀河」の艦橋では、出港準備に追われていた。


 side 「銀河」艦橋オペレーター・バイオロイドA


 「艦橋より達する。総員、出港準備に移行……要員の配置を確認した。

  中央管制室より『周辺航路状況、航路予定宙域に脅威となる物体無し』との返信あり」


 「続けて、港湾管制より『貴艦の拘束アームを解除する』との通達あり

  ……拘束アーム、解除を確認した」


  「ダメージコントロール要員は、主要区画監視を厳に。

   出港に関する注意事項、休止信号、共に無し。

   港湾管制からのデータリンクは継続中」


 side 同・バイオロイドB


  「各動力機関、主力安定。艦内重力制御装置、安全基準値オールグリーン」


 side 同・バイオロイドA


  「本艦からの出港要請に対し、港湾管制より

   『許可する。出港速度を遵守せよ』との返信あり

   続けて管制より『港内、減圧を開始する。要員は退避せよ』との連絡あり」


 side 航海長・バイオロイドC


 「メインゲート開放を確認。「銀河」出港する。

  港内巡航モードで航行中……「銀河」出港ッ!」


 かくして、試作ガレオン型航宙艦「銀河」を旗艦とする

数隻の試作キャラベル型航宙艦「宙艦そらふね級」で構成された艦隊が

地球の小笠原諸島拠点に向けて出港していった……



 - 宇宙要塞シルバーン、最重要中枢区画バイタルバート・中央司令室 -



 side ヒルデ


 試作艦艦隊は、無事に出港したみたいね。


 【しかし留守司令。今回建造の試作艦、あれほどの重武装で良かったのでしょうか……?】


と言ってモスは思考操作で空間コンソールを起動して、鼻で器用に操作しながら

私の周りに、出港していった艦船の情報を呼び出した。


 【試作ガレオン型航宙艦・銀河級。全長百メートル。

  全長が本来のガレオン船離れしているのは

  あくまで「なんちゃって」ですから。いいのですが】


 ……いいんだ……(汗)


 【武装が。片舷にカルバリン砲偽装型の粒子速射砲が八門

  二連装ホーミングレーザー砲が一基、両舷合わせて

  粒子速射砲が十六門・ホーミングレーザー砲が二基。

  速射砲は、操作型反射粒子によって前方にも発射可能。

  全てシルバーン製FCS制御で百発百中。

  他に舟艇攻撃用のバショウカジキ型ロボット三体etc】


 【試作キャラベル型航宙艦・宙艦そらふね級。全長五十五メートル。

  こちらもキャラベル船としては、大きさがおかしいですが。今更ですね】


 ……(汗)


 【武装は、銀河級と同型の速射砲が両舷合計で六門。

  舟艇攻撃用イッカククジラ型ロボット一体。

  更に。こちらには艦首に次元跳躍ミサイルセルの技術を応用して

  敵船に直接「ギリシアの火」を吹き付ける「ブレス砲」が一基。

  こちらもシルバーン製FCS搭載で、命中精度は銀河級と同じです】


 「……今回の試作艦は、前に発生した遭遇戦を鑑みて。小笠原諸島拠点防衛と

  確保している各拠点の防衛用の物だから、あれくらいで丁度いいのよ。

  表には出さないしね。

   まぁ、銀河級は史実カレー沖海戦時のアルマダ艦隊百三十隻を単艦で殲滅。

  宙艦級は四~六隻で同じ事が出来る事をコンセプトに造られたけど

   今後、運用データが上がってくるようになれば

  もう少し武装を抑えた物も造られるでしょうね。

   さてと。私はサワの世話があるから行くわね。後の事は、お願いね」


 【承知しました】


 敬礼のつもりなのか。鼻を掲げて言うモスに見送られて

ヒルデは司令室を出るのであった。


 そんな彼女らを、司令室の一角に作られた専用スペースに居るガラパゴスゾウガメ達※が

静かに見ていた。


 ※ピンタゾウガメ・フロレアナゾウガメ・サンタ=フェゾウガメ

フェルナンディアゾウガメ。史実世界では絶滅種。


 喧嘩をしないように、専用スペースは四等分に区切られている。



 【後書き】


 以上です。


 拙作に登場した動物たち以外にも、シルバーンには多種多様な動植物たちが

DNAデータを含めて保護されております。

本編、第二十五話・お歯黒様と裏の話、参照。


 試作艦には。試験的に、一部構造材にダマスカス鋼を使用しています。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[気になる点] side 航海長・バイオロイドC  【「 メイン】ゲート解放を確認。「銀河」出港する。 ではなくて、【「メイン】だと思います。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ