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#12 眠くなる社会の授業

 昼休みが終わり、午後の授業が始まろうとしている。


「うわぁ……次は社会か……」

「今日の数学はいつもより酷かったよなー」

「確かに、そうですよねー」


 男子生徒達は少し怯えながら、午後の最初の授業である社会に挑もうと決意した。



 ◇◆◇



 チャイムが鳴っても誰も席に着く生徒はほとんどいない。


「授業を始めるから、早く自席に着け」

「イ、イルザ先生……」

「いつからそこに……」


 本来は3限目だった社会の授業。

 この時間の授業と変更になったため、イルザが教室の扉を開き、肘をつき立っていた。


「特に男子! 私の授業が相当いやみたいだな?」

「い、いや、そんなわけないです……」

「そのような根拠は?」

「な、ないです」

「なぜ、警戒している? 「そんなわけないです」と言った割りには矛盾していると思うのだが……?」


 彼らは彼女の問いに怯えながら答えていく。

 さすがにその質問には誰も答えられなかった。

 その時、女子生徒達は呆れた様子でその光景を見ているだけだ。


「では、改めて授業を始める」

「起立、礼、お願いします!」

「「お願いします!」」

「ふむ。今日も全員いるな。さて、平安時代についての続きだ。教科書の105ページを開いてほしい」


 本日は日本史の授業らしい。

 教科書をめくる音がする中で、ラファが手を上げた。


「ラファ、何か質問か?」

「はい。なんで、現代より先の時代は学ばないのですか?」

「む、難しい質問だなぁ……残念ながら、この教科書の最後の方を見ていただけると分かると思うが、現代(ここまで)で終わりなのさ。私達はこれから先はどうなるかは分からないからな」

「そうなんですか……ありがとうございます!」

「このような答えになってしまい申し訳ないな」


 彼女はイルザに疑問点を訊いていた。


「他に質問はあるか?」

「ないでーす」

「話を戻す。平安時代といえば国語の授業でもやったと思うが、『竹取物語』などがあるな……崇史、眠っているのか?」

「すみません!」


 彼女が黒板に書いているタイミングを見計らって崇史は居眠りをしてしまっていたらしい。


「次からは気をつけろよ」

「分かりました」

「教科書の105ページの4行目から、眠気覚ましに読んでもらうか……ゆかり、お願いする」

「はい」


 イルザに指名されたゆかりは指定されたページを読み上げる。

 彼女はゆかりにキリがいい思ったところで止めさせた。


「105ページの最後の方から106ページの2行目まではテストに出すから印をつけてほしい――」


 イルザは生徒達が寝ないように工夫しながら授業を進めていく――。


 そうこうしている間に終わりを告げるチャイムが鳴り響いた数秒後に、授業が終わった。

2016/12/31 本投稿

2016/12/31 話数カウントミス

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