#9 3限目は……?
紫苑達は美術室から教室に戻っている途中に1人の女性とばったりと遭遇。
「イルザ先生?」
「友梨奈か?」
「はい」
「ちょうどよかった……。教室に行ったら誰もいなかったから、職員室に引き返すところだったのさ。大変申し訳ないが、3限目の社会は急遽、5限目の数学と変更する。みんなに伝えておいてほしい」
友梨奈はイルザと呼ばれた女性に声をかけられた。
「数学と社会が変更なんですね。分かりました!」
「本当に申し訳ないな」
「とんでもないです!」
彼女らは反対方向に向かって歩く。
友梨奈は教室へ、イルザは彼女とは反対方向にある職員室へ――。
◇◆◇
「木野さん、遅かったね」
「何かあったの?」
修と栗原くんが友梨奈に問いかける。
「イルザ先生から伝言を預かっていまして、3限目の社会と5限目の数学が入れ替えと言っていました」
彼女はイルザからの伝言である授業変更を全員に知らせると、男女生徒がなぜか知らないが、食いついてきた。
「イルザ先生の授業が1番眠くて辛い時間帯じゃないですかぁ……」
「あの先生の起こし方が怖いから午後だときついぜ……」
「みんな、寝ないようにしないとなぁ……」
「「ツンデレ女性教諭はいつ、どうなるか分からないからなぁ(分かりませんからね)……」」
彼らはがっくりと肩を落としながらぼやく。
それに対して、女子は授業変更に関してはどうでもいいらしい。
崇史は教室にかけられている時計を見た。
そして、次の瞬間……。
「べ、ベル先生!?」
「い、何時の間に!?」
「少し早めに着いてしまったので、まったりしててー」
教壇に立っていたのは本来は5限目の予定だった数学担当のベルモンド(注・生徒達からは「ベル先生」と呼ばれている)が彼女らの様子を微笑ましそうに見ている。
「授業の前に突然の授業変更はなんですか?」
「栗原くん、いい質問ですね? 私がこの時間に変更になったかですよね? それは自分が出張だということを忘れていたのですよ!」
「それは笑えないですね」
「紫苑と同じー」
「事前に気づかなかったんですか?」
「気づかなかった」
「おそらくイルザ先生に怒られルートだと思いますよ?」
「完全に怒られた」
ベルモンドは生徒達の抗議の質に答えている最中に、授業開始のチャイムが校内に鳴り響いた。
2016/12/31 本投稿




