表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ヒーローだって悩みは尽きない!  作者: 逸迄茂 笑太
われら、職業戦士!
6/11

レッド 俺らのヒーロー生活マジ危険信号(レッド) ⑤

 「……どういうことだよ」


 服部の言葉に多田は顔を引きつらせたままでいる。


 「そのままだよ。僕は……歳を取ったって事」


 服部は自嘲気味に言う。


 「ッ全ッ然、意味わかんえぇよ!!」


 その顔が気に食わなくて多田は大声を上げ立ち上がった。まるで自分を馬鹿にしているようで腹が立ったのだ。


 「多田さん。よせ」


 今にも掴みかかろうとする多田を止めたのは小山野だった。


 「ブルー……」


 小山野の冷めた表情に多田は冷静さを取り戻す。


 「そうだ、お前からもいってやれよ。辞める理由なんてどこにもないって!」


 多田はそう言って小山野の肩を叩く。


 「俺は……」


 小山野が口を開くのを見て安心感を覚えた多田は腕を組み座りなおす。


 「服部の言いたいことは分かる」


 「はあぁぁぁぁぁ!?」


 多田はまた立ち上がる。


 「なに言ってんだよブルー!?お前までどうしたんだよ」


 多田はまた荒ぶる。しかし服部に対しての怒気巻いたものとは違い、哀れみに近い表情だ。


 「あんたはどうなのか俺にはわからない、ただ服部はきっと……」


 多田を軽く無視するように小山野は服部に向いた。


 「『謝罪フォン』、見せてみろ」


 その言葉に服部は、驚きの表情をする。しかしすぐに頷くと、ポケットに手を突っ込み、スマートフォンのようなものを取りだした。


 

 謝罪フォン

 

 謝罪フォンとは彼ら五人が持つ、変身キットである。異星人と戦うときはこれを構え、「マジすんません!」と唱えることで、普通の人間から謝罪戦隊 マジゴメンダワーへと変身するのだ。ちなみに通常のスマアートフォンのような使い方は一切出来ない。


 「……やっぱりそうか」


 小山野は服部の謝罪フォンを見て納得して溜息をついた。


 「多田さん、これを見てみろ」


 そういって服部の謝罪フォンを多田に渡す。多田は渡された謝罪フォンの画面を見た。


 「……何だこれ。バッテリーが、全然溜まってねぇじゃねぇか!」


 多田はその場にいる全員に服部の謝罪フォンを見せる。


 服部の謝罪フォンの画面。その右上には電池のようなマークがある。そのマークが、赤色で一メモリしか点いていない。


 「多田さん、これが全ての理由だよ。服部の謝罪フォンはバッテリー切れ寸前だ。これじゃあいつ変身できなくなるかわからない」


 小山野は多田の持つ服部の謝罪フォンを取り、服部に渡す。


 「……なんで、そんなことに」


 戸惑う多田に小山野ははっきりと伝えた。


 「服部は、いいやつになっちまってるってことだろ」


 服部は謝罪フォンを両手で持ち、俯いた。


 


 

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ