スカートの防御力は3です
さて楽しい楽しい春休みが昨日で終わり、今日は入学式だ。なので、学校に行く準備をしている。
そして今は制服にお着替え中である。
「うわっ、なんか股の間がスースーする…ていうかこんな布切れ一枚で凄い不安なんですが……」
俺の入学する『私立鷹月学園』の制服は赤と紺と基調としたチェック柄のスカートに薄い茶色のジャケット制服のなかなかに可愛い制服である。これってマロン制服って言うのか?
「まぁ、可愛いのは認めるんだがこの股の間がスースーする感覚はすぐには慣れないなぁ」
これ絶対ちょっと強い風でも吹いたらめくれちゃう。女子はよくこんな防御力の低い装備を着れたもんだな……
「ぐちぐち言っててもしょうがないか。っとこれで完全装着!……なかなか可愛いじゃないか」
洗面所の鏡を見ると艶のある黒いロングヘアーの美少女が映っている。別に自画自賛のつもりではなく客観的に見てそう思う。
……ちょっとした出来心でくるっと回ってみたり、微笑んだりしてみた。
……ふむ。めっちゃ可愛いやん。あれだよね、美少女の微笑みって良いよね。
ってかこんなとこお袋に見られたりしたら…
パシャッ
…………あれ?なんか今携帯のシャッター音みたいのが聞こえた気がしたんだが……
恐る恐る入り口のほうに顔を向けると満面の笑みをしたお母様がいた。
そのまま無言で去ろうとする。ちょっ、なんで無言⁉せめてなんか言ってよ!
「飛鳥!飛鳥!見てみなさいこの可愛らしい愛神を!鏡に向かってニヤニヤしてるとことか最高よっ!」
「や、やめろおぉぉぉぉぉぉぉーーー!!!」
「いやー、愛神が随分女の子らしいことしてるからついつい」
「…本当やめて…」
朝から無駄な体力を使ってしまった。ていうか女の子らしいとか言わないで………
「ほら、いつまでも落ち込んでないでさっさと食べないと帝君来ちゃうわよ?」
「わかってるよ」
ジャムのついたトーストが食べ終わり、洗面所に向かい歯を磨いたりと身だしなみを整える。
「女の子は色々と面倒だな。っと終わった終わった」
終わったと同時にインターホンがなる。丁度帝が来たのか。
玄関に向かい、靴を履いて家を出ると帝が待っていた。
「おっ、用意は終わった……随分と可愛いな」
「えっ、そう?」
褒められてちょっと照れる。褒められて悪い気はしないし。
「ほら、早く行くぞ」
「ん、わかった」
帝が歩き出したので俺も後に続くようにして学校に向かった。
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