序章 サービス
完全なる志紅の趣味です。名前が変なのばっかりです。
あと区分がわからなかったのでファンタジーにしましたが、違うかもしれません。
その辺をご容赦下さいm(_ _)m
この度は解決屋 酒月をご利用いただき誠にありがとうございます。当社は皆様がお困りになっている事件・悩みその他何でも、解決が導き出せる事柄でしたらどんなことでも承ります。
公表に気が乗らないこと、どこでも解決が難しいと判断されてしまったこと、そんな悩みには是非当社をご用命ください。たとえそれがどんなに困難な案件でも、必ずや皆様に御納得いただける結果を残す…それが当社のモットーです。
さぁ本日も、皆様に御納得いただける解決をもたらしてご覧に入れましょう…。
*
からん、とドアのベルが鳴った。
その音に猫谷三日月はまさに猫よろしく耳をピクリと動かすと、怠そうな声で黄昏、と言ってまたソファに沈む。
呼んだというよりはただ呟かれたその声に、同じく面倒そうな顔で…けれどきちんと答えて奥から青年が出て来た。そのままドアに向かった青年を、三日月はやはり怠そうに見守る。
しばらくして、ギィ、という音と共にドアが開いた。
青年…霧生黄昏の後に着いてきた少し怯えた様子の女性の姿に、三日月はニッコリ笑って立ち上がる。思い切り勢いをつけて立ち上がった三日月に女性はびくりと体を震わせた。
「…あ、の、…!」
「――OKOK、事情はそっちのソファで聞きますよ?…とりあえず、」
未だ不安げな女性に、満面の笑みと共にスッと手を差し出す。…好みではないかなと心の中でだけ呟いて。
「――…ようこそ、宵闇町五番街“解決屋 酒月”へ!」
――今回もまた、楽しめそうな予感がした。