ジコショウカイ (前篇)
自己紹介。
それは他人に向けて自分のことを紹介すること。
どうも俺はそういったことがニガテだ。と、いうよりも人前に出ることがニガテなんだと思う………。
○●○●○
俺こと琥珀と戸鞠は学校に向かうべく歩いていた。重苦しい空気を纏わりつかせて………。
「はぁー…」
「………」
「はぁー…」
「………」
「はぁぁぁぁぁぁ…」
「もう諦めたら?」
そういって諦めれたらどれだけいいことだろうか。
そんな思いを込めて戸鞠を見やるも、向けられた本人は全くどうとも感じてないようだ。
「たかが自己紹介なのに」
「俺にとっては一大事なの!」
なぜこんなにも重苦しい空気を纏わりつかせて歩いているのかというと、今日はLHRの時間に自己紹介なんてイベントがあるのだ。
入学式は終った、高校に入ってすぐにある学力テストも成績に対して関わりはないからある程度点数が取れてればいい。だが自己紹介はダメだ!
なんだって知りもしない、仲良くなるかもはっきりしない不特定多数の連中に、態々自分を曝け出さなければいけないのか。そんなもん小学生で終ってろ!
「ま、ちゃんと学校に向かってるだけでもいい方か」
「例え今日休んだところで明日やらされるからな。しかも ひ と り で !!!」
誰がそんなことするか!!!
「ホント、変なところでこだわり屋だよね」
「いや、俺は普通だ」
「ほら、もう校門に着いたからね。知らぬ顔して通り過ぎようとしないのー。…明日、一人で」
いつの間にやら学校の前まで着いて、通り過ぎようとしていたようだ。これから起こることに対して体が勝手に逃避しようとしていたらしい。
戸鞠に恐ろしいことを呟かれそうになり体が素早く反応し、行き先を教室へと変えた。
「あー、がっこーたーのーしーみー」
「………大丈夫なんだか…」
○●○●○
「あ、珀くんおはよ…ぅ……って何かあったの?」
「いやなn「おはよー青くん。聞いてよー、琥珀ったら今日の自己紹介が嫌で、校門を素通りして行こうとしてたんだよー」
あのね、戸鞠さん。
人が話してる時に邪魔しちゃいけません!
教室に入り自分の席まで行くと、青戸はすでに登校して座りiP○dで音楽を聞いていた。青戸は俺が近付いた事に気付き顔を上げ挨拶してきた。が、俺の周りの空気に気付き問いかけてくる。
俺は青戸の質問に対し、なんでもない、と答えようとしたが、それを遮るかのように戸鞠に言われてしまった。てかいつの間に近付いてきたんだ!?
青戸は、原因は理解できたが何故そんなことで、といった顔で俺の方を見上げていた。
「…別に。ただたんに面倒臭いだけだよ」
「まぁ…名前をちゃんと言えばいいと思うよ」
それくらいはちゃんと言う!!!
続きます。
何というか、最初は青戸くんを「天然さんで、弄られっ子」的な感じで書こうと思ってたのに、弄られてくれないwww
それ以前に弄る側が弄られちゃってる。。
この先に出てくるキャラが不安です…。