フィナーレ
かくして、国王へ反旗を翻す、フランシスカの策は成ったのである。
追放されし聖女は、死んだ国王に変わり、国を治めることになった。そのことに、国民は歓喜していた。ありがとう聖女様、と。
聖女のトップに立ったのが、偶然にもフランシスカ。聖女の多数決で決定したのである。
フランシスカの傍らには、ホウオウの姿があった。
ホウオウは語る。
「自分の未来なんて無かったし、だから辛い今を生きるので精一杯だった。それでもフランシスカが助けてくれて、今、お前の役に立てて本当に嬉しい。これでやっと報われたんだ。私の夢も……そしてどうか、これからもお前の剣で居させてほしい。……ごめん。涙がね。私の命の無駄では無かった。ありがとう、フランシスカ」
「お礼を言うのは私の方です。貴女はいつも私を守ってくれた。多分、貴女とは一生の付き合いになるのでしょう。それが反逆した最後に残ったものなのですね。ホウオウ、愛しています」
「忠誠を」
ホウオウはフランシスカの目の前に跪き、手の甲にキスをした。
それは単なるキスではない。犠牲と覚悟のロープの上に残った、忠義の証。
後の人は言う。アクドラより聖女来たる。
その名を、フランシスカと。