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ここに六つの聖女を立て、お前を殺そう。国王。  作者: 夜乃 凛
第三章 第四聖女との軋轢

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【第一部完結】聖女たちの拮抗

「ナイム……」


 ディークは狼狽していた。哀れ、と思ったからである。


「……すまない。誤解していたかもしれない。お前の背景は、理解しようとはしなかった。化け物ではない。力は、ずば抜けているが……辛かったろうに」


「ううん、いいんだよ。殺してしまったんだから。こういう風にしか、生きられないんだ。彼が死んでから、私は力だけ追い求めてきた。あの国王に必要とされた時もね。結局、国王は私を殺人鬼呼ばわりして捨てたけど」


「殺人鬼?」


 ディークが眉をひそめた。あの国王……。


「殺すしか能が無いから」


 ナイムは呟いた。次のディークの行動は、ナイムを驚かせるものだった。

 抱擁したのである。ディークがナイムを抱きしめたのである。


「良い。我慢せずとも良い。よく耐えた。あの国王は、クズだ。あんな奴のいう事を真に受ける必要はない」


「……」


 ナイムは沈黙している。抱きしめられたって、いつ以来だっけ。


「ナイム。協定を組みなおそう。もっとあなたの領地のことを教えてほしい。我が領地のことも、可能な限り教える。ミリアムとマリアンヌは、しばらく放置していれば良い。なんらかのコンタクトはあるだろうがな。まずは、自領に戻ろう。戦いは起こらないはず」


「……ありがとう、ディーク」


 低いテンションのナイム。

 ディークも元聖女。彼女も、聖女たる資質を、確実に持ち合わせていた。


 フランシスカ隊はマリアンヌ領へ。当然、マリアンヌの部隊と合流してから。

 マリアンヌはホウオウと共に、マリアンヌ領。たった二人。

 ディークはマリアンヌ領から撤退。ナイムと協定。

 ナイムはディークと共に、自領へ。心の傷が、癒えた。

 イグドラシルは動かず。姿を見せず。

 ミリアムは、不気味な沈黙を保ったまま。ナイムが苦戦するほどの聖女。


 六人の聖女の、パワーバランスは動き続ける。

 最後に生き残っているのは、どの聖女なのか?

 もしくは、フランシスカが全員をまとめ上げ、国王を殺すことに成功するのか?

 わかりはしない。だが、フランシスカの、反逆の意志は揺ぎなかった。


ここで、第一部完結となります。

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