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ここに六つの聖女を立て、お前を殺そう。国王。  作者: 夜乃 凛
第一章 追放すなわち無能

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第五聖女マリアンヌの影

 聖女の勢力を除く、いわゆる『第三の勢力』として浮上してきた、赤い牙。フランシスカはその名を初めて聞いたので、色々な内政があるのだな、と思った。状況とすれば、聖女達の共通の敵を作るには、うってつけ。そういう感情。


 フランシスカとホウオウ、シュクレは、順調に、フランシスカの領地へと向かっていた。周りの景色は、それほど殺風景でもなく、おだやかな草原が広がっていた。

 そのことに、フランシスカとホウオウは戸惑っていた。綺麗すぎるというか。


「ふむ……このような綺麗な土地があったとは」


 シュクレが言った。彼も、よく知らぬようである。

 フランシスカが尋ねる。


「シュクレ殿、この領地は、アクドラ全体だと、どの位置にあたりますか?」


「東の方角ですから、本来、行き止まりのはずです。このような土地の話を聞いたことはありません」


「知らない、土地……」


 フランシスカが呟いた。突然、現れた土地?


「ちなみに、東の方角なので、第五聖女マリアンヌと、最も近い位置にいると言えます。そこが……少し、不安な要素ですね」


 シュクレは淡々と語っている。その言葉が、フランシスカに警戒心を持たせた。


「マリアンヌが、危険という事ですか?」


「そうですね。彼女は、『自分こそが本当の聖女なんだ』『国を守る責務は全て私のものなんだ』、そういう考えの人物ですから、追放された今も、そう思っているんですよ。だから、周りの聖女は偽物だと言って聞かない。フランシスカ殿が現れて、また偽物の聖女が現れたと言って、襲ってくる可能性はあります」


「被害者ですね。とはいえ厄介……わかりました。頭に留めておきます」


「お願いします。しかし、隣のホウオウ殿に、実力を見せてもらいました。ホウオウ殿の実力をもってすれば、マリアンヌが襲い掛かってきたとしても、敵ではないでしょう。マリアンヌには……」


「気になる言い方だな。『マリアンヌ以外』なら、どうなるんだ?」


「第二聖女ナイムに剣で勝てるかと言うと、かなり怪しいかと」


 シュクレの言葉に、フランシスカは驚いた。ホウオウに勝る剣の腕の持ち主など、思いつきもしなかったからだ。


「何%くらいの確率で、勝てる?」


 ホウオウが尋ねた。それに、シュクレは首を振った。


「確率はありません」


「なら、わからないじゃないか」


「勝率が0%だから、確率がないのです」



 聖女達は、団結し得るか。


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