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転生したらスキルが傾星だった件

 おぎゃあと泣いて目を開けば、金銀緑に赤白ピンクと、色とりどりの髪の色の人々の笑顔に囲まれていた。


 はいもうお分かりですね、そうですわたくし異世界転生いたしました。


 レイティア王国のファブル公爵家の姫として生まれ、なに不自由なく育ったわたくしサフィリア・グランデス・オーガスタス・ファブル。

 宝石のように輝く青の瞳から、ファブルのサファイア姫と呼ばれております。

 それはもう人語に絶する超絶美少女なのでしてよ? おほほほほ!


 さてそんなわたくし、本日いよいよ5才になりますの。


 この世界がどんな世界なのか、もしや前世で見たり聞いたり読んだりバトったりした世界なのか、今だにさっぱり分からないのですけどもね、5才になると教会で最初のスキルがいただけることだけは分かっているんですの。


 最初、というのは、その人物の固有スキルのうち、本当に特別なものは成長とともに現れることが多いからですわね。


 それらのスキルいかんによっては、わたくしの今後の人生が決まります。

 美貌の公爵令嬢なんて大当たりを引くくらいですから、きっとすさまじく素晴らしいものに違いないと思いますのよ!! おーっほっほっほっほ!





 というわけでやって参りました我が公爵領の教会!

 最初のスキルはささやかなものになることが多いので、家族はみな気楽なものです。

 わたくしももちろん……昨夜は興奮して眠れませんでしたわあ!!


 血走った目で、ご老体の神父様をにらみつけます。


 はよ! はよ! はよわたしにスキルを!!


 神父様がわたしの頭に手をかざし、何やらぶつぶつ唱えます。

 すると天から温かな光が降ってきて……。

 ふおおおおおおお!! なんか来た! なんか来た! 超絶魔法的感覚なんか来た!!



「スキル授与の儀は以上です」


「ありがとうございます、神父様」


「次は10才の2度目の授与の時ですね」


「そのときはまたどうぞよろしくお願いいたします」



 わたしの頭の上で神父様とパパンがなんか話してる。

 でもわたくしはそんな事全部どうでも良かったのでございます。


 なぜなら、今手に入れたスキル『鑑定』を使うので忙しかったから!!!


 あちこちキョロキョロ見てはあれこれ鑑定してみる。


 その様子を見ながら、みんな笑顔。

 どうやらスキルを手にした子どもはみんな、すぐに使ってみたがるらしく、鑑定なんて手に入れた日にはその場で鑑定しまくりなんだそうな。


 そのせいだろうか、教会内部には素朴で質はいいが高価なものは置いていない。

 そして人々のうち、誰も鑑定できる相手はいなかった。

 みんな鑑定阻害の手段を持っているらしい……。


 つまらん、と思いながらわたくしは自分自身を鑑定してみました。


 すると驚きの情報が目に入ってまいりました。

 なんとわたくしの鑑定、転生者特典で特級鑑定なんだそうですの!

 しかも鑑定偽装付き!!

 すでに通常鑑定で偽装されてるんだとか!


 いい仕事するじゃねえか!!


 うきうきしながらわたくし、帰りの馬車でゆっくり自分を再度鑑定してみました。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


◯サフィリア・グランデス・オーガスタス・ファブル 5才


 レイティア王国ファブル公爵家長女。

 転生者。

 前世は腐った喪女のオタク。


 HP 10

 MP 20

 

 スキル:特級鑑定(レベル1)

     

 発現予定スキル:姫騎士

         チョロイン

         傾星



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




 傾星?


 わたくしはその文字に既視感がありました。


 なんかで見たな、この単語。

 いや、それも問題だが傾星ってあれだろ、多分傾国とか傾城とか、その辺のヤツだろ、あんまいい感じがしない……。



 そのとき、わたくしの脳裏に閃くものがありました。


 星の船で銀河を旅する主人公。

 彼らが巻き込まれる星間戦争。

 その発端となったのが、未開惑星Hー202449の貴族令嬢!!

 まさかあたしかああっっ!!


 いやいやいや、冷静になろう、こんな時こそ冷静になるんだ、びーくーるびーくーる。


 震えながらわたくしは『傾星』のスキルをさらに詳細鑑定。



『銀河中探しても1万年に1人、出るか出ないか。このスキルを持つものは望もうと望むまいと権力者たちに愛され、戦乱の原因となる』




 マジかっ……!!!


 絶望感に打ちのめされたわたくしには、ひとつの選択肢しか残されていませんでした。



 

 そうだ、大森林行こう。









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